大阪府高槻市教委が同市内の公立学校などで実施してきた 在日外国人向けの教育事業を廃止(一部縮小)したのは、 国際人権条約が保障する 「マイノリティー(少数者)の教育権」の侵害だとして、 外国籍の生徒ら約30人が、 1人あたり10万円の 損害賠償を市教委に求め、大阪地裁に提訴することが分かった。
弁護団によると、マイノリティーが 「母国」の文化などを学ぶ権利について争う訴訟は初めて。
提訴するのは在日コリアンや中国、フィリピン、 ベトナムなどの出身者の子供で、小・中学校に通う約30人。
市教委は「多文化共生・国際理解教育事業」を1967年度から実施。 2002年度は小・中学校8校で週1回、校外4カ所で週2回以上、 参加者の「母国」の文化・歴史や差別などについて学ぶ「子ども会」を開き、約150人が参加。指導員派遣費など予算は約1130万円。
市教委は「総合学習の時間などで取り組みたい」として、 今年度、小・中学校での子ども会を廃止。 校外では1回の開催に減らした。
原告の在日韓国人(小学校6年)の父親(49)は 「同胞である指導員が学校に来られなくなったことにショックを受けていた」として話し合いを求めてきたが、 市教委が応じないため、提訴に踏み切ったという。
弁護団によると、高槻市の事業は先進的な取り組みとして評価が高く、 大阪市、川崎市などが同様の事業を行うきっかけになった。 国際人権条約のうち、自由権規約27条は 「少数民族が自己の文化を享有する権利」を規定。 政府は79年、この規約を批准、発効している。
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