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品質工学会 Kazzの品質工学特集
品質工学に関するご意見やご質問を自由にお書きください。

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2921.信号因子の値が異なる場合のSN比の計算方法は? 返信  引用 
名前:Student S    日付:5月14日(水) 7時37分

会社で利用しているPCが掲示板への書き込みできず、携帯から送信します。
ここでの書き込みは初めてですが、以前ニフティのFQCに出入りしていたStudentSです。
5年ほど品質工学から遠ざかっていて、品質工学会からも脱会していましたが、必要を感じてまた勉強を始めました。

さて、動特性のSN比の計算法はいろいろな市販書を読めば、ほとんど同じパターンで計算が紹介されていて
それは参照すれば、トレースできますが、実際自分で実験をすると、N1とN2の実験値が
同じM1,M2,M3の値に対応して採取できない場合があります。
市販書の事例では皆、同じM1、M2・・・の信号に対応したN1とN2のデータのセットばかりで、数理のわからない
私には応用がききません。

例えば以下のような例だと、計算例はどのようになるのでしょうか?
お教え願いたくお願い致します。

       N1   N2
M1 2.0  16.8  −
   2.5  -   21.4


M2 4.0  31.6  -
   4.7  −   37.3

M3 6.0  45.6  −
   6.6  -    54.5



つまり、本来M1=2  M2=4  M3=6 でデータをとりたかったのですが

N2で実験したとき はそれぞれすこしずれて 2.5 、 4.7  、  6.6  の信号に対応する値のセットでしか採取できなかった場合です。



2922.Re: 信号因子の値が異なる場合のSN比の計算方法は?
名前:Kazz@管理人    日付:5月14日(水) 7時49分
StudentSさん
久しぶりです。
観測値のデータではSN比は下記のように求めます。
N1の場合
L1=2*16.8+4*31.6+6*45.6
r1=2^2+4^2+6^2
N2の場合
L1=2.5*21.4+4.7*37.3+6.6*54.5
r2=2.5^2+4.7^2+6.6^2
ST=データの二乗和
Sβ=(L1+L2)^2/(r1+r2)
SN*β=(L1-L2)^2/(r1+r2)
SN=SN*β+Se
VN=SN/4
SN比は
10log(Sβ-Ve)/(r1+r2)*VN
感度は
10log(Sβ-Ve)/(r1+r2)
で求めます。

http://kaz727.cool.ne.jp


2923.Re: 信号因子の値が異なる場合のSN比の計算方法は?
名前:Student S    日付:5月14日(水) 14時22分
先生ありがとうございました。

有効除数のところで悩んだんですが すっきりしました。

でもVN=SN/4
では4ではなく

SN/5 ですね?!



今回悩んだために このBBSを見つけて質問致しました。

FQCに代わる存在があったのは今まで正直知りませんでした。
過去ログを読んでみたいと思います。


2924.Re: 信号因子の値が異なる場合のSN比の計算方法は?
名前:Kazz@管理人    日付:5月14日(水) 15時39分
StudentSさん

>でもVN=SN/4
では4ではなくSN/5 ですね?!

私の間違いでした。
機能性評価は目的をよく考えて活用してください。


2925.Re: 信号因子の値が異なる場合のSN比の計算方法は?
名前:Kazz@管理人    日付:5月14日(水) 15時44分
StudentSさん
掲示板の過去ログは2002年からまとめたものをHPの表紙に載せていますのでご覧いただければ勉強になると思いますよ。

2919.L18 1,2列を使い6水準を割り付ける場合の誤差変動の求め方について 返信  引用 
名前:濱田 郁郎    日付:5月13日(火) 22時10分
ご回答をお寄せ下さいまして有難うございました。目的を明示せず申し訳ございませんでした。L18の直交表に手を加えて6水準1因子、3水準6因子の変形版直交表の解析を行うにあたり、参考までに分散分析を行って寄与率を求めてみたいと考えた為の質問でした。
皆様のご回答を参考に勉強してみます。有難うございました。
これからもご指導のほどよろしくお願い致します。

2914.タグチメソッド普及戦略への疑問点 返信  引用 
名前:FWP    日付:5月12日(月) 23時22分
はじめまして。機械系技術者のFWPと申します。
最近、設計工数のスリム化に役に立つと聞いて
独学でタグチメソッドの勉強を開始したものです。

Kazzさんの公開されている”品質工学特集”が
教科書だけでは詰まってしまう点を
補足されているので大変参考になっております。

さてKazzさんが”品質工学特集”を公開されているのは
タグチメソッドの普及のためと存じます。
ただ私の知る近年の統計手法の発達から特集の主張がやや古くなり
誤解を招くのではと感じた点がいくつかございます。
初対面で失礼かとは思いますが、
疑問を感じた部分について意見を述べたいと思います。

疑問1:MTSによる予測について
題材として企業の業績予測を拝見しました。
業績予測はタグチメソッドに限らず、
特に経済経営学などは専門の学問でありますから様々な試みが行われています。
そこでは予測に関する手法としては回帰式が用いられていると聞きます。
(地球温暖化予測などにも使用されているそうです)
一方MTSは、マハラノビス距離を用いた群間距離の評価ということから
判別分析に類すると考えます。
判別分析は群間距離という定義から
群を分類するのには有効ですが、定量的な予測には不向きであると考えます。
なぜ判別分析で定量的な予測を試みたのかがpdfから理解することが出来ませんでした。
有効性を主張するのであれば、回帰など他手法との比較が必要ではないかと思います。

疑問2:不等分散の扱い
他の資料も拝見しまして、タグチメソッドの強力さの背景として
不等分散を積極的に利用している点を強調されていると理解しました。
確かに実験計画法では正規分布を仮定しているかもしれませんが、
最近普及が進んだベイズ推定の分野では
正規分布以外の確率を導入し成果を上げているそうです。
身近な応用例としてはメールのスパムフィルタが挙げられます。
単にタグチメソッドを実験計画法と対立させるのではなく、
ベイズ推定など非正規分布を積極的に使用している手法と関係づけることで、
興味を惹くと同時にその強力さをアピールすることになると
思うのですがいかがでしょうか。

まだ勉強をはじめたばかりですのでバカなことを申し上げているかもしれません。
研究会に参加してみればすでにこのような疑問は決着済みであるかもしれません。
熱心のあまりの勇み足とご容赦いただければさいわいです。



2915.Re: タグチメソッド普及戦略への疑問点
名前:Kazz@管理人    日付:5月13日(火) 17時38分
FMPさん
積極的な発言歓迎します。
多少誤解があると思いますので私なりの意見を申し上げます。

疑問1:MTSによる予測について
>そこでは予測に関する手法としては回帰式が用いられていると聞きます。(地球温暖化予測などにも使用されているそうです)
一方MTSは、マハラノビス距離を用いた群間距離の評価ということから判別分析に類すると考えます。
判別分析は群間距離という定義から群を分類するのには有効ですが、定量的な予測には不向きであると考えます。

MTS(最近ではMT法として,TS法,T法,を含めてMTシステムと言っています)はマハラノビスの距離を用いるものからT法のようにマハラノビスの距離を使わないものもありますが,判別分析とは全く違った考え方で展開されています。仰る通り判別分析は分布間のどちらに属するかでマハラノビスの距離を用いますが,MT法は単位空間(正常状態や普通状態の基準空間)を定義して,それからの距離を信号にとって異常空間の真値を予測します。企業の利益予測でも昨年と今年で利益がほぼ同じような企業を単位空間として,利益の伸びが大きい企業や小さい企業を信号にとってTS法やT法で評価することができます。そのためには多項目を選んで項目選択や診断や真値の推定を行います。地震の予測や火災の予測や不動産の土地価格や工程の品質の予測などにも使われています。

疑問2:不等分散の扱い
>単にタグチメソッドを実験計画法と対立させるのではなく、ベイズ推定など非正規分布を積極的に使用している手法と関係づけることで、興味を惹くと同時にその強力さをアピールすることになると思うのですがいかがでしょうか。

ベイズの定理は統計的な一様分布で仮定するもので,確率を考えていない品質工学の場合,不良率を一様と考えることがおかしいわけです。詳細は品質工学便覧の109,613,722Pをご覧ください。
ベイズノ定理を使った臨海不良率もありますが,品質工学では統計的誤差分散など無限母集団を考えた誤差ではなく,市場における強制誤差(ノイズ)で市場品質を評価しているわけです。確率や統計が必要とされる科学的で自然現象を説明する世界では考えたらよいことであって,市場品質を評価するときには,科学的理想機能(1+1=2)は存在せず,「理想機能からのずれ」が問題になるだけと考えているのです。その方が開発の生産性が向上すると考えているからです。
従来の「ゼロか一か」「正常か異常か」で判断することがおかしいのです。
情報設計でMTを使う場合でも,ハード設計でSN比を使う場合でも,基準点や理想機能である原点をどのように定義するかが大切で,市場のトラブルや異常などは原点からのずれであって分布などは存在しないのです。異常品は1個1個で原因が異なるのですから一様分布など存在しないのです。


2916.Re: タグチメソッド普及戦略への疑問点
名前:Kazz@管理人    日付:5月13日(火) 18時0分
地震の予測などに回帰式が使われているというのは問題があるのです。過去に起こった地震から回帰式を作っても同じ形の地震は起こるとは限らないわけですから,単なる当て嵌めにすぎないのです。最小二乗法も理論式からのずれの最小化であって,予測には使えないのです。地震が起こったときの何時間前の正常状態のデータがあれば,それを単位空間と考えて,地震の大きさを信号にとって,マハラノビスの距離(MD)から,信号の真値の予測を行うことを考えていますが,単位空間の設定が不十分で予測精度が悪いのが現状です。

2910.比較設計学のすすめ 返信  引用 
名前:Kazz@管理人    日付:5月6日(火) 12時25分
良い設計は比較で真価を発揮すると考えている。設計というものは絶対的なものではない。同じ目的に対してもいくつもの設計が可能である。
これを数学的に表現すれば,5は1+4だけでなく無数に答えが存在する。目的が設計を拘束できないから,設計は余った条件数だけ自由度がある。この意味で,設計の評価は相対的なもので,比較して初めて良い設計と悪い設計が定まる。
この場合,よい設計でも悪い設計でも目的に対して最低の条件は満たしているはずである。
最近の製品を見ていると,顧客が望む機能や性能だけでなく,望まない機能まで含まれた製品が目立つ。これは品質工学でいうノイズではなく,顧客にとっては邪魔な機能のことである。それがコストに跳ね返ってきているから顧客は勿論企業としても利益を圧迫しているのである。
設計には「硬い設計」とデザインのような「軟らかい設計」に分けられるが,前者は機能性能であるから「運動エネルギー」で,後者は精神的な昂まりであるから「位置エネルギー」であると考えている。
技術者にとっては,設計は答えが一つでない世界であるから,無限の挑戦であり,良い設計は比較でしか生まれてこないのである。



2911.Re: 比較設計学のすすめ
名前:Kazz@管理人    日付:5月6日(火) 12時46分
アインシュタインの相対性原理を持ち出すまでもなく,すべての実体は相対的であり,絶対的ということはあり得ないのである。
品質工学で基準点とか原点回帰ということを考えるが,これも便宜的に考えたものにすぎない。MT法における単位空間や基準空間というのも相対的なものにすぎない。
関西QEの有志の皆さんがエネルギー比のSN比を提案されているが,これも田口玄一の原点的発想であって,絶対的なものではない。絶対的思考では「YESかNO」とか「AかBか」とか「善玉・悪玉」とか二者択一的な考えであるが,相対的判断では比較にすぎないのである。SN比の利得も相対的判断であって,SN比の絶対値にはさほど意味がないのである。


2912.Re: 比較設計学のすすめ
名前:Kazz@管理人    日付:5月6日(火) 14時56分
比較の手法の中には「対比」や「類推」だけではなく,「止揚(アウフヘーベン)」の思考が考えられる。昔の小噺の「桶屋の話」はご存じだと思うが,現在の「ごみ処理」の問題は家庭だけの問題と片付けているととんでもないことである。「評価は部分でなく全体で」が,今年の大会テーマであるがゴミ問題も家庭,企業,地域をサブシステムと考えてここの最適化を図っても,社会全体のシステムから考えた場合最適な処置とは言えないのである。
トランプの「ババ抜き」的発想では本質的な問題解決にはならない。
最近の後期高齢者問題しかりである。
新商品開発でも,大きなシステムの目的のことを考えないと顧客の満足や地球環境改善が得られないことになる。
今年の大会テーマは145件だが,本来のシステムの本質から考えられたテーマが少ないのである。


2913.Re: 比較設計学のすすめ
名前:Kazz@管理人    日付:5月12日(月) 10時43分
フィロソフィの問題
「日本人はプロセスにはあまり関心を持たず,結論を急ぎたがる。」という批判をよく聞くが,「作れるのか作れないのか」「売れるのか売れないのか」「ゼロか一か」という二値的判断が支配しやすくなり,深く考えもしないで比較するだけではそれほどの効果は期待できない。
品質工学の活用でも,基礎的な哲学(フィロソヒィ)を無視して手段だけを他人のまねをした活用が見られる。自分の家の土で木を育てることを忘れて,鉢植えの木を買ってくるような木だけに関心がある活用が目立っている。「手術は成功したが,患者は死んだ」では何もならない。
省資源や省エネ・公害防止・消費者無視などで新商品を開発しても企業の命取りになるという事態が発生する。
本質的な哲学を無視した手段先行の活用は戒めるべきである。

2881.商品価値とは何か 返信  引用 
名前:Kazz@管理人    日付:4月1日(火) 11時30分
品質工学で評価する商品の品質はコストと品質損失の和ですが,消費者は価格と機能や性能やデザインや信頼性の総合で判断しています。信頼性は過去の実績や周りの評判で判断していますからまちまちの判断になっています。しかし信頼性などはよくて当たり前ですから,あまり気にしていないわけです。故障の場合にはメーカーに言えば直してくれるのです。病気で医者に直してもらうようなものです。したがって,消費者が買う前に気にするのは,品質工学でいう「技術品質」を除いた「商品品質」だけなのです。このことは今回ビデオカメラを買って感じたことです。これからいろいろ不満が出ると思います。健康でもそうですが,当たり前のことは病気になるまでは気にしないのです。したがって,品質工学の問題は企業にとっては重要な体質改善の問題ですが,消費者にとっては,二の次の問題なのです。このことが,品質工学の普及を妨げていると考えます。



2885.Re: 商品価値とは何か
名前:yoshi    日付:4月7日(月) 23時18分
「技術品質」とは、当たり前の品質であり、消費者からすれば当然の品質であるから、ここが差別化されていても、お金を払うに値する魅力は無いのが現実です。「ソニータイマー」なる品質にはマイナスの用語が存在し、なおかつそのタイマーが装備されているとする商品を我々が好んで買ってしまう事実がその証拠です。
ただ長期的に見れば、当たり前の「技術品質」の向上に真摯に取り組んだ企業が勝ち組であることは、歴史が証明してくれています。カイハラしかり、カラシニコフしかりであります。
大量生産のたった一個の商品でも、それを買った消費者からすれば、唯一の商品である。ということです。


2886.Re: 商品価値とは何か
名前:Kazz@管理人    日付:4月9日(水) 18時27分
Yoshiさん

>当たり前の「技術品質」の向上に真摯に取り組んだ企業が勝ち組であることは、歴史が証明してくれています。

私は買ったビデオHF10(キャノン)は一番人気のカメラですが,バッテリの寿命が短くて不満です。この商品だけではないのですが,家電商品の中では電池の寿命が短いのが最重要課題ですね。低消費電力化が進んでいますが,ネックは電池です。ソニータイマーは保証期間を過ぎると途端に故障を起こすことで有名ですが,それでも人気が高いのはデザインと商品企画力です。部品を自社で造っていないことが致命的なのです。


2908.Re: 商品価値とは何か
名前:田口先生の一ファン    日付:5月3日(土) 9時32分
>「ソニータイマー」なる品質にはマイナスの用語が存在し、

もし、この話が本当だとしたら、大変な技術力ですね。
なんたって寿命をコントロールできるのですから。


2909.Re: 商品価値とは何か
名前:Kazz@管理人    日付:5月3日(土) 19時39分
田口先生の一ファン さん
SONYさんが最近発売したハイビジョンスナップというビデオカメラレコーダー(HDR-TG1)はさすがだと感心しています。企画力と顧客の心を掴んだ商品を纏める力ではやはり日本一ですね。
売上を上げるにはまず顧客の心をつかむことが第一ですから、品質工学の技術品質は二の次になるのです。
ソニータイマーは設計寿命を企画したのではなく、技術品質が問題だから起こるのです。
現在の日本では、まだまだ商品品質の弱い商品が多いのでSONY商品の人気は落ちないのですが、技術品質が備われば鬼に金棒なんですが・・・。

2887.ほんまもんのCSとは何か 返信  引用 
名前:Kazz@管理人    日付:4月17日(木) 14時9分
最近,ビデオカメラ(HF10)を買いました。ビデオ歴は長く5代目のカメラです。市場にあるビデオカメラの中では最高の製品だと思います。昨年3月に買いましたXactyHD2に比べてもはるかに画質やAFなどの機能性能はすぐれていると思います。
ところが,昨日孫を連れて動物園に行って2.4GBの動画と静止画を撮ってきたのですが,DVDに書き込みしたところ無声映画になっていたのです。原因は音調節のところがOFFになっていたのです。液晶画面を見れば音の有無は分かるのですが,まさか音がOFFになっているとは気がつかなかったのです。その前に撮影した作品は音声が入っていましたので大丈夫と考えていたのです。
「かんたん設定」もありますので,それで撮影すればよかったのですが,過去のビデオ歴が邪魔をして複雑な設定を必要とする方で撮影した結果です。音量調節のレベルメーターが小(−40dB)大(0dB)の間で調節できるようになっていて,−40dBのところが音量ゼロで音声を消すことができるようになっているのです。素人には分かりにくいですね。
顧客は人間ですから何をするか分からないのですから,設計者はそのことを予知して設計することが大切です。取説も非常に不親切で,メーカーに問合わせなければ分からない説明です。
技術者はマスターベーションで設計したり取説を書いては駄目だということです。本当のCSとは「顧客を満足させる」ことではなく「顧客が満足する」レベルで考えてほしいのです。田口先生がユーザーフレンドリのもの造りを提唱されていますが,技術者の独善では駄目だということです。皆さんのご意見をお聞かせください。

http://kaz727.cool.ne.jp



2888.Re: ほんまもんのCSとは何か
名前:TomUi    日付:4月19日(土) 5時12分
>本当のCSとは「顧客を満足させる」ことではなく「顧客が満足する」レベルで考えてほしいのです。

 本当にその通りだと思います。顧客不在で企業間の競争が激化したことから,分厚くて読む気になれないような取り説が付いた製品が出回るようになったのではないでしょうか。
 ただ,企業だけを責めるわけにもいかない面もあるように感じます。同じ価格であれば機能は少ないよりは多い方が良いというような顧客が多くなると企業もその要求に合ったものを作るようになり競争が激化していくのだと思います。
 本当のCSとは何かを顧客の立場の人と複数の企業の代表者が一緒になって真剣に議論する場を持つというのはどうでしょうか。そのような議論を経て作られた商品がたくさん売れるようになるとほんまもんのCSに近づくものと思います。そして本当に顧客が満足する商品が店頭に並ぶのだと思います。
 残念ながら,現在そのような商品を見つけるのは大変難しくなってきています。


2889.Re: ほんまもんのCSとは何か
名前:Kazz@管理人    日付:4月19日(土) 8時51分
TomUiさん
価格.COMでこのことを発言しましたら,反撃を受けたのです。
今回は,私の無知のなせる技かもしれませんが,人間はミスをすることが当たり前ですから,そのことを考えて設計することが大切だと思います。品質工学の場合でも,技術力のレベルを評価するものですから,要因効果図を見れば分かるのですが,そこまで行く前に,因子間の交互作用の有無や機能性の評価特性のまずさを考えることが技術者の技術力になるわけです。
商品は技術力の有無に関係なく使われるわけですから,取説などはどこまで配慮するかが大変難しいですね。

http://kaz727.cool.ne.jp


2890.Re: ほんまもんのCSとは何か
名前:Kazz@管理人    日付:4月19日(土) 9時29分
TomUiさん

>本当のCSとは何かを顧客の立場の人と複数の企業の代表者が一緒になって真剣に議論する場を持つというのはどうでしょうか。そのような議論を経て作られた商品がたくさん売れるようになるとほんまもんのCSに近づくものと思います。

最近WindowsのVistaを使っていますが,今まで使っていたソフトが使えなくなって,買い替えやバージョンアップをしなければならなくなったのです。しかし新しいソフトが前のソフトよりはるかに使い勝手が悪いケースが多いのです。泣き寝入りをするか,元のWindowsXPに戻すしかないのです。
TomUiさんの提案されていることはWindowsのような基本ソフトでは必要なことですし,消費者が望むことですが,現在の経済環境では無理なことで消費者は泣き寝入りするしかないのです。

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2898.Re: ほんまもんのCSとは何か
名前:Kazz@管理人    日付:4月22日(火) 14時22分
TomUiさん

最近腹が立つのは,Windows用のoffice2007や筆まめや画像ソフトなどが複雑になってますます使い難くなってしまいました。他社との競合のためとはいえ,消費者無視のソフトです。消費者が要求しない機能を増やして混乱させることはCSの考え方と逆行するものです。初心者用と専門家用に分けて設計すべきです。

キャノンのHF10は「簡単設定」ができますから,これを使えばミスなく撮影ができるのです。専門家が要求する特定な撮影はあっても構いませんが,両者を分けたことが素晴らしいと思いますが,私は使い方も分からないのに調べずに勝手に触ってしまったことが問題だったのです。

http://kaz727.cool.ne.jp


2900.Re: ほんまもんのCSとは何か
名前:Kazz@管理人    日付:4月28日(月) 16時2分
まったくお粗末な話ですが,先日買ったビデオカメラで撮影して,パソコンに取り込んで,DVDに書き込みをしようとしましたが,4.7GBのDVD−Rに4GBの容量の映像が作成できないことがわかったのです。それでは何GBまでの映像なら書き込みできるのか。メーカーに問い合わせたところ,そのようなデータはないので答えられないというのです。ソフト付きでハードを販売していてもソフトについては責任が持てないという素気ない返事でした。
メーカーで実験して回答くれるように頼みましたが,部分的な仕事しかしていない態度が問題だと感じましたがいかがでしょうか。
顧客が何を欲しいのか,顧客の立場で全く考えていないということです。

http://kaz727.cool.ne.jp


2901.Re: ほんまもんのCSとは何か
名前:PAPAGENO    日付:5月1日(木) 10時44分
自分の仕事が本物のCSになっている自信はないのですが、顧客の立場になったときは痛切に感じますね。自宅のPCの調子が悪くなったので、迷いましたがVistaに買い換えました。MS-Office 2007は非常に、非常に使いにくいですね。同じ操作をするのに3倍以上はかかっているように感じます。使用中にこれほど腹が立ってしかたのないソフトは初めてですね。

あと、DVDも DVD-HD ⇒ DVD-R へのダビングが、何回やってもエラーが出てしまってできない時があるみたいです(PCではなくAV機器の方の製品)。レンズのクリーニングもまめにやっていますし、DVD-Rの円盤も相性の良いものを買ってきているので、ソフト的な問題が何かあるのではないかと想像しています。良いソフトチェックの方法はCSに繋がるのでしょうね。


2907.Re: ほんまもんのCSとは何か
名前:田口先生の一ファン    日付:5月3日(土) 9時23分
音が静かな掃除機が売り出し中ですが、年配者は、音が五月蝿くないと綺麗になった感じがしなく不評と聞きます。
音を静かにした目的は、マンション住人の若奥様の使用を目的としているようです。
薬もそうです。安くすると効きが悪くなった感じがして反対に売れないそうです。
携帯電話もそう。音楽が聞きたくない小生の場合、音楽機能は必要ない機能です。
何が言いたいかというとCSは、顧客の使用目的に左右されるということです。
機能性評価で何の機能をアップされたか目的をアピールすれば、その機能を欲しい顧客が跳び付く訳です。
音が静かになる目的なのに色々な余計な機能が付いているから逆に満足されないのです。
しかし、顧客は勝手な生き物です。あの機能が付いたのだから、この機能を付けよとなります。メーカーは、それを見越して色々の機能を付加しているのですが、返って分かりにくくこれが仇になります。
あと前提条件ですが、顧客の嗜好は、品質工学では取り扱いません。

2902.L18多水準設定時の誤差変動計算方法について 返信  引用 
名前:濱田 郁郎    日付:5月1日(木) 13時12分
L18の1、2列を使って1因子6水準を設定した場合の、誤差変動の計算方法を教えて下さいませんでしょうか?
よろしくお願いいたします。



2904.Re: L18多水準設定時の誤差変動計算方法について
名前:田口先生の一ファン    日付:5月2日(金) 14時4分
「ベーシックオフライン品質工学」日本規格協会のp124をお読み下さい。


2905.Re: L18多水準設定時の誤差変動計算方法について
名前:Kazz@管理人    日付:5月2日(金) 16時40分
誤差変動の求め方は田口先生の一ファンさんが紹介された本にも載っていますが、濱田さんが因子の誤差変動を何のために使われるか知りませんが、パラメータ設計の場合は必要ないと思います。許容差設計で寄与率を求めたければ必要ですが・・・。


2906.Re: L18多水準設定時の誤差変動計算方法について
名前:田口先生の一ファン    日付:5月3日(土) 8時31分
>濱田さんが因子の誤差変動を何のために使われるか知りませんが

kazz様の仰られるとおり、濱田さんの目的が分からないので小生もぶっきら棒にお答え致しました。
品質工学は、目的が曖昧だと先へ進みませんし、手法弄りのお遊びなら迂闊なことも言えないのです。
先の直交表の拡張の話もそうです。何のために拡張がしたいのかです。線点図を使えば、幾らでも拡張出来ますが、交互作用が絡みますので初心者にはお勧め出来ないのです。
因みに田口先生は、何を提案する時も目的及び前提条件は絶対曲げません。

2386.デジタルデータの標準SN比について 返信  引用 
名前:tricanal    日付:3月24日(土) 16時51分
Kazz先生

先週の滋賀の研究会で化学反応や抽出の事例をデジタルデータの標準SN比で解析できるというご指導ありがとうございました。その場で発表しました自分の事例を「品質工学講座3 品質評価のためのSN比」や「品質工学応用講座 化学薬学生物学の技術開発」を参考に解析しようと思いますが、その際直交表の外に割り付けた誤差因子の効果を含めて、直交表1行ずつの標準SN比を計算するには、どのようにすればよいのでしょうか。上述の教科書の事例では誤差の外側割付は行われておりませんので、困っている次第です。何卒ご指導のほどよろしくお願いいたします。



2387.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:Kazz@管理人    日付:3月24日(土) 17時17分
toricanalさん

デジタルの標準SN比でやる場合ですが,「化学薬学生物学の技術開発」の43ページにあるように,直交表の外側に表2.2.14(正誤表で直してください)のように主反応(目的物)と副反応(目的物以外の副生成物)で反応率と未反応率を求めてから,標準SN比を式(2.2.45)で求めます。直交表L18の核実験番号ごとで標準SN比を求めて最適条件を求めればよいのです。
この場合,ノイズはとらなくてもよいのです。副反応自体がノイズと考えればよいのです。


2388.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:tricanal    日付:3月24日(土) 18時11分
Kazz先生

ご返答ありがとうございます。教科書にあるように誤差をとらないで計算はできるのですが、そうしますと直交表の各行ごとに、外側誤差N1とN2に対して二つのSN比が出てきてしまいます。せっかく外側に誤差をとったので、その誤差効果を一つのSN比に含めたいのですが・・・、考え方が間違っているのでしょうか?


2389.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:Kazz@管理人    日付:3月24日(土) 18時46分
toricanalさん

デジタルのSN比では0と1の2値反応ですから,アナログ値の標準SN比の場合とは考え方が異なります。データの誤り率をノイズの効果と考えますから,(N1+N2)/2=N0のデータを使って,誤り率が同じになるような標準SN比 ɳ=-10log(1/ρ-1)を求めればよいでしょう。


2390.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:tricanal    日付:3月24日(土) 21時39分
Kazz先生

ありがとうございます。まだ理解不十分ですが、ともかく計算して、速度比法の結果と比較してみます。


2396.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:    日付:4月2日(月) 23時27分
tricanal様

良いハンドルネームですね。笑い

滋賀の研究会からも書き込みいただけると幸いです。

理解不足を認識して場違いな発言をしてレスポンスを頂戴すると自分の理解に為になることが多いですので、どしどしK先生に質問して下さい。


2891.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:mahotan    日付:4月21日(月) 19時13分
Kazz先生はじめまして、
標記について、ご指導よろしくお願いします。
先の回答で、ɳ=-10log(1/ρ-1)でSN比を求めた場合、
Sに相当するものとNに相当するものは何になるのでしょうか?
正直、標記全く理解できていません。


2892.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:Kazz@管理人    日付:4月21日(月) 23時0分
mahotanさん

>先の回答で、ɳ=-10log(1/ρ-1)でSN比を求めた場合、
Sに相当するものとNに相当するものは何になるのでしょうか?

デジタルの標準SN比の場合,反応の入出力は入力の主反応と副反応に対して出力の誤り率を評価するわけですから,標準SN比は両社の誤り率が等しい時のSN比をɳ=-10log(1/ρ-1)で表します。
アナログの機能性評価における信号に相当するものが,主反応と副反応であり,誤り率がノイズに相当すると考えればよいのではないでしょうか。誤り率では加法性がないので,上式のようにΩ変換して加法性を持たせているのです。

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2893.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:mahotan    日付:4月22日(火) 8時19分
両者の誤り率が等しいという意味はどういうことなのでしょうか?
私の理解する能力不足かもしれませんが、よろしくお教え願います。


2894.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:Kazz@管理人    日付:4月22日(火) 10時4分
mahotanさん

デジタルの標準SN比をご存じないようですので,開発設計段階の品質工学講座や化学生物学薬学の技術開発など品質工学応用講座をご覧いただけば理解できます。
デジタルの場合は,主反応(欲しいもの)も副反応(欲しくないもの)
もどちらの誤り率(p,q)も等しくなる条件(p=q)が最適条件で望まれることになりますので,その結果,ɳ=-10log(1/ρ-1)が標準条件になるのです。
化学的反応の場合,主反応(信号)と副反応(ノイズ)の機能窓拡大法を用いますが,標準SN比でも加法性が高いので同じ結果が得られるのです。

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2896.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:mahotan    日付:4月22日(火) 10時57分
Pおよびq共に最も小さくなる条件が最適条件ではなく、p=qとなる条件が最適条件であるという理解でよろしいでしょうか?


2897.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:Kazz@管理人    日付:4月22日(火) 14時3分
mahotanさん

>Pおよびq共に最も小さくなる条件が最適条件ではなく、p=qとなる条件が最適条件であるという理解でよろしいでしょうか?

品質工学はアナログでもデジタルでも2段階設計を行います。
まず,p=qとなるロバストネスの最適条件を求めて,その後で,pとqが最小になるようにチューニングを行います。

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2899.Re: デジタルデータの標準SN比について
名前:mahotan    日付:4月22日(火) 16時27分
Kazz先生
なるほど、よく分かりました。
ありがとうございました。
また不明点がありましたら、質問させて頂きます。
その時はまたよろしくお願いします。

2883.L243 返信  引用 
名前:山口和也    日付:4月6日(日) 22時18分
L243の直交表とその線点図を手に入れたいのですが何か良い書籍はありますか



2884.Re: L243
名前:柴山忠雄    日付:4月7日(月) 9時3分
山口様(2883)、濱田様(2882)、Kazz先生

Kazz先生、しばらく御無沙汰しております。
山口さん、濱田さん、はじめまして。

(もっとよい御意見もありそうですが、私でしたら、こうします・・・)

L243をL3^5とすれば3水準5要因の代表的な素数累乗直交表ですから、3水準の
5要因A、B、C、D、Eを基本列として総計121列を生成させればよいですね。

たとえば SAS/QC の FACTEX プロシージャなどを使う方法もありますが、もしも、
手作りでしたらつぎの拡大をまねてL81をL243に拡大すると楽かもしれません。

L9(A、B)→L27(A、B、C)、 L27(A、B、C)→L81(A、B、C、D)、 ⇒
*************************************************************************
L81(A、B、C、D)→L243(A、B、C、D、E)

総計121列を生成するときには、まず、基本列(計5列)の成分記号をそれぞれ
a、b、c、d、e として、この5列を書き上げてから、ほかの116列の成分記号を
作り上げておき、続いて、これをたよりに、各列を生成させます。
Excelの作業面(ワークシート)上で手作りしてゆけばよいと思います。

線点図は大変ですが、2列間交互作用列表は容易に作ることができます。
任意の2列ごとに、その2列間(=2要因間)交互作用がほかのどこの2列に
出てくるかを成分記号の計算で求めて、表に書き込んでいきます。
(田口:第3版実験計画法、p.1073, 1078-1079 はこうして作ってあります。)
(ただし、第3版では各列に成分記号が書かれていないのでわかりにくい。)
(2水準系2列間交互作用は1列に出ますが3水準系は2列に出ます。)

参考書は 安部季夫(1993):直交表実験計画法、日科技連出版社 あたりかと。

2882.L243直交表についての問い合わせ 返信  引用 
名前:濱田 郁郎    日付:4月6日(日) 21時5分
L243直交表を使った解析を検討したいと考えています。
この三水準系直交表と線点図を入手したいのですが、どのようにすれば入手可能か教えて下さいませんか?
よろしくお願い致します。

2880.15周年記念シンポジウムの感想と今後の課題 返信  引用 
名前:Kazz@管理人    日付:3月27日(木) 9時42分
昨年の11月27日に行われた,15周年記念シンポジウムについて少し古いが感想を述べてみる。

 昨年,品質工学会も15周年を迎えて,品質工学便覧が刊行され,シンポジウムが開催されたことは意義深いことである。私も会の発足当時から副会長の大任をまかされてきた関係で感慨一入である。
 品質工学研究発表大会の最近のテーマが「モノ・コトの見極めに革命を」というスローガンを掲げているが,まさしく品質工学は「パラダイムシフト」を目指した考え方である。パラダイムシフトは天動説が地動説に変わったように大きな変革を意味するのである。パラダイムを一言でいうならば、「思いこみ」である。人間は思いこみの罠にはまってしまうと,思考を停止してしまう。
 ハードの分野で,消費者の求める機能を考えて,新しいパラダイムへ変換してきたように,品質工学も「統計学よさようなら」ということで,田口玄一博士はソフトの分野で革命を起こしてきたのである。
 戦後間もないころからの実験計画法の応用から始まって,最近の品質工学の発展の歴史は,品質工学便覧の第1篇 品質工学慨論に詳しく書かれているので読んでほしい。この歴史を通じて感ずることは,田口玄一博士の一貫した哲学である。周囲の雑音には耳を貸さず,常に顧客や地球全体のことに目を向けて,ご自分の考え方を貫かれた「胆識」には敬服する。
 現在,近視眼的な経営が原因で,思いこみの罠にはまってしまう企業が多い昨今であるが,経営者を始め管理者や技術者は「社会的損失の最小化」を永遠のテーマとして考えている品質工学を汎用性の高い「モノ造り哲学」として考えて欲しいのである。
 鴨下隆志氏や矢野宏氏が述べられている品質工学の歴史と今後の深化の位置づけの中で,パラダイムシフトは唱っているが,世の中は変わろうとしていない危機感がある。確かに大会発表は150件程度出るようになったが,発表企業が固定化して新しい企業や大企業の参加があまり見られず,特定な企業に偏っている。発表件数の割には当日の参加者があまり増えていない。企業では一握りの人間だけが活用している程度で,組織的活動までに展開している企業は極めて少ない。特に研究開発関係の技術者の参加がほとんどない。
 品質工学が学問として認知されていないことにも原因はあるが,大学の工学部でも品質工学を講義する先生がいないため,外部の講師が指導しているのが現状である。
 研究発表大会でも機能性評価やパラメータ設計までの発表がほとんどで,経営的な成果まで到達した事例がほとんどない。社会的トラブルが頻発している企業でも,問題解決に品質工学の手法は使っている程度で,根本的な組織改革まで行って,技術開発から品質工学を活用している企業は極めて少ないと感じている。
 今年の大会のサブテーマを「評価は部分でなく,全体で」としたが,個々の技術問題はもちろんであるが,開発の仕組みも機能重視の全体思考で考えて欲しいのである。
 福田収一氏が「品質工学における技術イノベーションの課題」の中で,生産者側と顧客側の「価値の協創」の大切さを唱えているが,年金問題のような社会的品質も含めて,供給側も需給側もバランスして利益を獲得できるように,品質工学が貢献する課題は山積している。
(独)科学技術振興機構の有本建男氏が中国の人材教育の話をされていたが,最近は頭脳の循環(サーキュレーション)が大切になっている。中国の人が米国のスタンフォードとかハーバードとかMITで勉強して,トレーニングを受けて中国に帰る。中国に帰ってきて,常にMITの先生と連絡をとりながら共同で研究をする。共同でいろいろなものを開発するというネットワークが張られている。それからまた,若い人たちもその後で行かせる。このブレインサーキュレーションのネットワークの中に,日本だけが孤立している。これは致命的である。
例えば最近の日本の若い人々が10年前と比べて,どれくらい海外のトップユニバーシティーに行かなくなっているかは驚かされる。例えば、10年前と現在のスタンフォード大学への日本からの留学生が語学の勉強に行っているぐらいで,中国,韓国,インドに比べて学生の留学の勉強の中身が全然違っている。これからの日本はリスクを負ってもチャレンジする精神を涵養(かんよう)するためのシステムと文化をつくらない限りは先細りだと思う。
 日本のような出る杭を打つ文化でなく,アメリカのような長所を伸ばす文化が日本でも根付かない限り,品質工学の発展は望めない。
日本の現状は,研究開発の上でも危機であるが,それを評価する品質工学の面でも伸び悩みである。
 リコーの近藤社長が企業の技術イノベーションの課題で講演されたが,勝ち続ける技術戦略の中で,「作らずに創る」フロントローディング型の技術開発がどこまで浸透するかに興味がある。
 今年の第16回品質工学研究発表大会で,元会長の岩崎浩一郎氏が「16年目の品質工学」というテーマで地球温暖化に対する品質工学の役割の講演をされるが,その中に今後の品質工学の歩む方向が見えてくれば幸いである。

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2878.パラダイムシフトを考えてみる 返信  引用 
名前:Kazz@管理人    日付:3月26日(水) 7時13分
品質工学は「パラダイムシフト」だという。天動説に対して地動説やニュートン力学に対する相対性原理などはパラダイムシフトであった。
品質工学研究発表大会のテーマが「モノ・コトの見極めに革命を」と言っているのだから,従来の考え方に対しては革命的な発想なのかもしれない。従来の統計学を柱にした品質管理とはまったく違った考え方であることは間違いない。問題が起きてから考える再発防止型と未然防止型の違いである。品質工学が現在受け入れにくい世の中の体質が邪魔をしていて普及を妨げているのかもしれない。しかし,地球温暖化の問題など我々人類にとっては乗り越えなければならない壁が立ちはだかっている現在「社会的損失の最小化」を唱える品質工学はピッタリの考え方であると信じている。大会発表でも言えることだが,パラメータ設計しました。SN比で利得の改善ができて再現性がありました。という程度の発表で品質工学をやったという程度では何も変えられないと考えている。損失関数を使ってどこまで社会的損失が改善されたか。そのためにどれだけの投入コストをかけて全体のエネルギーを削減したか。パラダイムシフトというのであれば,機能のばらつきだけでなく,使用コストや公害改善コストまで含めた企業活動ができることを期待する。

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2879.Re: パラダイムシフトを考えてみる
名前:Kazz@管理人    日付:3月26日(水) 10時31分
次の文章はネットからのパクリであるが,ハードの分野では常に起こっていることである。品質工学はソフトの分野で起こったパラダイムシフトである。ハードの世界では汎用性がその商品や技術分野に起こるだけだが,消費者の要求する機能について変革したことは品質工学と共通している。品質工学が普及しない職場とか技術者は「思い込み」という罠にはまって死の谷に落ち込んでしまった結果だと考えられる。 

 パラダイムシフトとは、競争のルールが変わることである。これによって企業は何が変わるのか。どんな罠があるのか。生き残るにはどういった視点が必要なのか。
 
 パラダイムを一言で定義するならば、「思いこみ」となるであろう。思いこみの罠にはまってしまうと、人間は思考を止めてしまう。これは非常に危惧すべきことである。この罠にはまってしまった事例として、1990年初頭にLDカラオケでシェア1位であったパイオニアが挙げられる。カラオケ映像の美しさを強みと考えていたパイオニアは、通信カラオケの映像を見て「こんなものはカラオケではない」と思いこんでしまった。しかし、実際の顧客である若者たちがカラオケに求めていたのは、映像ではなく最新の曲が歌えることであった。このパラダイムシフトにパイオニアは気がつかなかったのである。2000年には、カラオケ市場の94%が通信カラオケになり、パイオニアは姿を消した。

 近視眼的な経営が原因で、思いこみの罠にはまってしまう場合も多い。例えば、アメリカの鉄道会社が挙げられる。彼らは自らの事業を「輸送」ではなく「鉄道」と捉えてしまった。これにより、増え続ける輸送需要の取り込みに失敗し、自動車や航空が伸張する一方で衰退していった。このように企業、それも非常に専門的な能力を持つ、もしくはその分野で強い企業ほど、自らの事業を狭く定義する傾向があるので注意が必要である。

 パラダイムシフトによって競争や事業のルールが変わると、今までのやり方が通用しなくなる。そして、新たな企業や競争相手が出現するようになる。こうした中では、成功している企業ほど苦戦する傾向がある。それは思いこみの罠にはまり、パラダイムシフトに気がつかない、もしくは気がついていても対応ができない場合が多いからである。


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