殺生丸さま…
−…あの日の約束、覚えていますか…−
時は経て銀の妖しと幼かった少女は夫婦となった。 そして…そのかつては少女であった者は 最後の時を迎えようと…していた…−
「殺生…丸…さま、そんな…顔、しないで…」
−…私の、桜が見たいと言う願いで淡色の桜の木の下で 今、殺生丸さまに抱きかかえられている。 …今にも崩れそうな相手の顔を力無くも、どうにか撫でた。
「ねぇ…殺生、丸さま…あの日の約…束覚えてる…?」
約束−…それは過去に交わしたたわいもない少女の願い…
「私が、死んでも…ずっと、私の…事…覚えてて、くれるって…」
私の途切れ途切れの言葉に 殺生丸さまは、忘れるものか…と優しく言ってくれた。 その言葉を聞き、安心したら…なんか眠くなって来てしまった。
「殺生、丸…さま…なんか、眠いの…私…」
私達を包む桜と殺生丸さまの銀糸をボゥッと眺めて 綺麗だな…なんて思いながら
「もう、眠る…ね、殺生丸さま…」
私は微笑み、最後の言葉を…頬に涙を伝わせた最愛の人へ その涙に触れながら渡し
永久の深い眠りの旅路へと歩んだ…
パタリ…と相手の頬から手が滑り落ちる…−
−…もし…生まれ変われるのならば、貴方の傍にもう一度…−
そして
きっと私はまた、貴方を好きになる…−
END
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