俺は死神になりたかった。 どんなに世界に嫌われても、 躊躇無く、その鎌を振るう自身が俺にはあった。
たとえ眼前で断末魔の叫びがあがろうとも、 俺のこの葡萄色の瞳は揺らぐことはないだろう。
自分の使命に基づくままに、俺はいくらでも命を狩ろう。 たった一つの例外を除き。
俺は俺を殺せと言われれば、 嘆息一つしたあと、迷い無く、俺を殺そう。 けれど、俺にも執着はあった。 俺がこの世で唯一、殺せない人間、それがおまえだ。
だから、おまえが死なない様に、 俺は死神になって、おまえだけを護りたかった。 たとえ、世界に呪われようとも。
その願望を俺がおまえに告げた時、 おまえは「傲慢だ」と言って、俺を叱った。
俺は死神になりたかった。けれど、悟った。 たった一人の人間なくして、自分を保てない俺が、 死神になれるわけがない。 俺は「臆病者」と呟いて、俺は俺を嘲笑った。
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