猿に学ぶダイエット 運動増やし、食事は満足感重視(asahi.com)よりH23.05.16紹介 そうなんだ@為五郎
太りすぎで「メタボ猿」とあだ名がついた大浜公園(大阪府堺市堺区)のアカゲザル。「汚名返上」にダイエットに取り組み、効果が出ているという。ポイントは何なのか。
「自然に近い環境で運動できるようになったことがダイエットにいい影響を与えています」。公園を管理する堺市から昨年4月、猿の飼育を委託された「大阪生物教材センター」の東四郎社長(60)はこう話す。東さんやセンターの飼育員5人が交代で食事や運動に気遣いながら猿たちの世話をしているのだ。
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4年前、膨らんだ腹を揺すりながら歩く猿たちの姿があった。市民から「太りすぎ」と指摘され、市が初めて全ての猿の体重測定をしたのが2007年6月だった。成獣17匹の平均体重は14.9キロで、標準の10キロの約1.5倍に及んだ。ダイエットが始まった。
すぐに高カロリーのジャガイモやサツマイモを徐々に減らし、3カ月後には群れ全体の1日の摂取カロリーを半分に。ただ猿山には柵がなく、来園者がえさを与えていたため、09年6月に高さ6メートル、広さ約250平方メートルのサル飼育舎を建て、外からえさが投げ込めないようにした。柱から柱へ渡れるロープや丸太、鎖につるしたタイヤなど運動設備も充実させ、同月の体重測定で17匹の平均体重は10.7キロまで減少した。
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東さんに密着取材を試みた。えさは午前10時、正午、午後4時の1日3回。午前8時半に出勤してきた東さんは管理用の小屋で食材を切り始めた。1時間後、リンゴやバナナ、ニンジン、白菜、サツマイモ、ひまわりの種などのえさ8種類がそろった。
現在、1匹当たりの摂取カロリーは食事制限前の3分の2にしている。だが食事の総重量は減らしていない。白菜などの低カロリーの食材を増やしたほか、食材を2〜3センチ角に細かく切ることも大事なポイントだ。粒が小さくなる分、拾って食べるのに時間がかかる。大きなかけらを短時間で食べてしまうより満足感が得られるという。
東さんと一緒にえさをまいた。「同じ場所にえさをまくと、強い猿が独占する。小さな猿にも行き渡るよう満遍なくまいて」と東さん。どの猿も小さく切られたえさを懸命に拾い集めてほおばっていた。
ところで、ダイエット効果は雄と雌で違う結果が出ている。軒並みやせた雄に比べ、雌は太ったままのものが目立つ。07年6月に20.5キロだった雄の成獣6匹の平均は2年後に12.8キロに減ったが、雌の成獣11匹の平均は11.8キロから9.5キロにしか減らなかった。
日本モンキーセンター(愛知県犬山市)の加藤章園長はこの現象について「群れでの地位の高さがかかわっている」と話す。子育てせず単独行動する雄に比べ、親や子どもと家族集団をつくる雌の方が群れで力があり、食べ物が減ると、雄が雌に譲るようになるためという。雌同士の序列は子どもが多く、大きな家族集団を持っているかどうかで決まるという。
序列1位の雌「ボタン」(推定10歳以上)を観察した。体重は13キロ(09年6月時点)で標準の10キロより3キロ重い。ボタンと2匹の子ザルがえさの落ちている場所に近づくと、その場にいた猿たちが一斉に飛びのいた。
東さんが今、ダイエットと並んで重視するのが平和な群れづくりだ。今年3月下旬から食事の際に集まってくる猿たちの体にイワシの粉を振りかけている。体に付いた粉を食べることから互いの毛繕いにつなげ、群れ全体でのけんかを減らすのが狙いだ。「メタボだった頃は市民にも心配をかけた。健康で平和に暮らす猿の姿を見せることが地域の人にとっても心の癒やしになるはず」と東さんは話す。
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運動量を増やす、炭水化物をとりすぎない、時間をかけて食べる――。猿たちのダイエット法は人間にも通じる。同僚から「ごはん好きで大食らい」とよく言われる。まだ、平均的な体形を維持しているつもりだが、肝に銘じたい。
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