「練習試合、日本代表7-1三菱重工長崎」(3日、長崎県営)
阪神のドラフト1位で、中国広州アジア大会日本代表の榎田大樹投手(24)=東京ガス=が3日、三菱重工長崎との練習試合(長崎県営野球場)の五回に、3番手で登板した。ドラフト指名後初の実戦登板となった“虎デビュー戦”で、最速143キロの直球を軸に2回を1安打無失点。強気な投球で右打者に2死球を与えるなど“らしさ全開”の投球で、田中スカウトも即戦力として活躍を確約した。
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球場に響く鈍い音が、大物投手の証明だった。 「ボコッ」「ドスッ」
2回1安打の投球結果以上に、際立った2つの死球。強気に内を突く“ケンカ投法”は、プロで生き抜く決意表明だ。虎の即戦力左腕・榎田が、ついにベールを脱いだ。
「真ん中に投げれば、いい打者には打たれてしまう。2‐1からの死球は良くなかったですけど、2死二、三塁からの死球は攻めた結果なので…。気にしてないですよ」
場面は六回だ。無死一塁から代打井本に対して、2‐1からの6球目。厳しく内を突いた直球は、わずかに左ひざをかすめた。犠打を挟んで1死二、三塁。石井から空振り三振を奪うと続く野口の打席だ。4番打者にも初球から内角勝負を挑むと、ボールは左太ももを直撃。2死満塁としたが、最後は伊藤孝を空振り三振に斬って、絶体絶命のピンチを切り抜けた。
カーブ以外のスライダー、カットボール、フォーク、スクリューの4球種を試して、3奪三振の内容。結果も上々だが、視察した田中スカウトが絶賛するのは、2つの死球だった。「どちらも間違っていい制球の仕方です。問題ない」。いずれも後続から三振を奪った。メジャーでも活躍するメッツの高橋尚成を例に出し「直球は球速より速く感じるし、あんなタイプ。十分に即戦力でやっていけます」と太鼓判。ドラフト1位指名の重圧が掛かる中で、貫いた投球スタイルが裏付けだった。
5種類の多彩な変化球と、内角を恐れぬ精神力…。アマ球界No.1左腕にまで上り詰めた理由は、この2つに集約されている。「僕の真っすぐだと、どうしてもスピードがないので…。厳しく内を突くように意識しています」。この日も右打者の三振は、いずれも内角球だった。死球と紙一重の投法だが「内角を攻めないことには、自分の投球はできないですからね」と、プロの打者相手でも遠慮するつもりはない。
10月23日の招待試合・富士重工戦以来、約2週間ぶりのマウンドで好感触を得た。初めて使用した国際球も違和感なく、4日の九州三菱戦にも中継ぎ登板する予定。続く6日の三菱重工長崎戦で、いよいよ先発登板する流れだ。「先頭出さないことと、ピンチをつくらないこと。あしたはもっと気をつけたい」と榎田。まずは16年ぶりの金メダル奪取へ、国際大会でも厳しく内角を突く。
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