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3399.「海辺のリア」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/6/14(水) 23:14
小林政広監督が演技派俳優、仲代達矢主演で撮った映画です。

老人ホームを逃げ出して浜辺をさまよう認知症らしき老人は、かつてはスター俳優だった男で、娘や娘婿に「あんた、どちらさん?」と問います。
舞台は、大半が石川県の千里浜という海辺。
出演者は五人だけで、家族の愛憎劇が繰り広げられます。
シェークスピア四大悲劇の「リア王」がモチーフになっていて、84歳の仲代達矢扮する老人がリア王のセリフを語るラストは圧巻です。

共演の黒木華、阿部寛、原田美枝子、小林薫も魅力ある俳優たちなので見たのですが、仲代達矢の芝居を見せられたという感じで、一本の映画を見たという満足感はあまり無かったです。

3398.「メッセージ」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/6/14(水) 19:52
異星人とのコンタクトを描いたテッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を基にしたSFドラマで、アメリカ映画です。

ある日、アメリカ、ロシア、日本、中国、パキスタンなど、地球上の12か所に巨大な球体型宇宙船が降り立ち、言語学者のルイーズはアメリカ政府から異星人とのコンタクトへの協力要請を求められ、宇宙船の出現場所、モンタナ州へ向かいます。
ルイーズは物理学者のイアンと組んで、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていきます。

宇宙人襲来モノSFで、危機的状況もあったものの、派手なアクションや、宇宙人との激しい戦いの場面は無く、テーマは「自分の人生」?
「彼ら(宇宙人)にとって時間は流れるものではない。」そうで。
人は結果がわかっている未来に、希望を持って生きていけるだろうか?、最後は死ぬとわかっているのに。

ちょっと難しくて、哲学的で、午後の魔の時間だったこともあり、眠くなりました。隣席の人はほとんど寝ていたようでした。

ルイーズ役はエイミー・アダムス。
ヒロインとともに任務にあたる物理学者をジェレミー・レナー、作戦の指揮をとる軍人をフォレスト・ウィテカー。

3397.ゲキ×シネ「乱鶯」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/6/13(火) 22:46
「劇団☆新感線」が古田新太主演で、2016年に上演した「乱鶯」を、「ゲキ×シネ」作品として映像化。

江戸時代を舞台に、かつて決して人を殺さない盗賊の頭で名をはせた男と、彼を取り巻く市井の人々の喜怒哀楽を描いています。
冒頭と終盤に二度ある盗賊が押し込み強盗をする場面は、ハードボイルドだし、笑わせるところもあるけれど、江戸情緒漂う時代劇です。

豪華絢爛な舞台ではなく、キャストも、劇団員以外の主な共演者が稲森いずみ、大東駿介なので、今までの作品と比べると、地味な点は否めません。でも、話がまとまっていて、余韻が残りました。

数年前に、私がハマったゲキ×シネが安く見られるようになっただけでなく、上映館も増えて、前売り券&予約をせずにすむのも有難いです。

3396.「ちょっと今から仕事やめてくる」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/6/2(金) 19:0
ブラック企業、パワハラ、長時間労働、自殺といった現代の日本社会の深刻な問題をテーマにした北川恵海の同名ベストセラーを、福士蒼汰主演で映画化。
上司からのパワハラやノルマ達成に追い詰められた新人サラリーマンが、幼なじみを名乗る謎の青年と出会い、交流していくことで人生を見つめ直し、本来の自分自身を取り戻していくという物語です。

ブラック企業で働く隆は、会社で疲れ切り、精神的に追い詰められ、ホームで意識を失い電車にはねられそうになります。その時、隆は、同級生だったというヤマモトと名乗る青年に救われます。
隆はヤマモトのことを思い出せないでいましたが、陽気なヤマモトと付き合っていくうちに、本来の明るさを取り戻し、仕事の成績も次第に上がってゆきます。
そんなある日、ヤマモトについて調べると・・・。

上司からのパワハラの場面は本当に不愉快で、先輩社員が上司のプレッシャーに耐えられずに人間性が歪んでしまうのも当然に思えました。
そして、鬱状態で部屋は散らかり、会社に行きたくなくて眠れぬ夜を過ごす場面は、映画を見ていても辛かったです。
ヤマモトにより、自分だけの命じゃない、自分を大切に思い、死んでしまったら、大いに悲しむ人の存在に気づかされる姿にはウルウル・・・。

家族愛の映画でもあり、いつも子を心配する母の姿、「人生、生きていれば何とかなるさ」という父親の言葉もよかったです。
共同で脚本も手掛けた成島監督は、20代の時、親友2人が自殺した経験があるそうで、辛くてしんどい時、話せる人が必要だ、一人でいてはダメだ、というメッセージが伝わります。また監督は、「一番怖いと思ってほしいのは、(上司に怒られている彼の)周りが声を発しないことと言います。
子どものいじめの問題も同じことが言えます。

福士蒼汰と工藤阿須加、若い二人の熱演も素晴らしかったです。

3395.「マンチェスター・バイ・ザ・シー」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/6/2(金) 15:25
イギリスのマンチェスターでなく、アメリカ東海岸の小さな町を舞台にしたアメリカ映画です。
心を閉ざして孤独に生きる男が、兄の死をきっかけに故郷に戻った男と周囲の人々の姿を描く映画で、ケイシー・アフレックがアカデミー賞主演男優賞、ケネス・ロナーガン監督が脚本賞を受賞しました。

ボストン郊外でアパートの便利屋として働き、孤独に生きている中年男性リーは、兄ジョーの訃報を受けて、故郷の漁港の町に帰り、ジョーの16歳の息子パトリックの後見人になってほしいという兄の遺言を知らされます。
現在と回想のシーンが交差して描かれ、徐々にリーの辛い過去が明らかになっていきます。

故郷の町に留まることは、誰に対しても心を開かず、時間が止まってしまったかのようなリーにとって、忘れられない過去の悲劇と未来に向き合うことでもありました。

重苦しい上に2時間17分とちょっと長めで、地味な映画ですが、重厚なヒューマンドラマでした。

ケイシー・アフレックは大スター、ベン・アフレックの弟ですが、存在さえ知らなかったです。似ていないし、華が無いタイプですが、演技力が素晴らしいです。もともとはリーの役はマット・デイモンだったそうですが、ケイシー・アレックに譲ったそうで、それが良い結果をもたらしています。

元妻役のミシェル・ウィリアムズはもちろん、青春真っ只中の甥役もなかなか良い味を出しています。

3393.「娘よ」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/5/23(火) 16:17
昨年、あいち国際女性映画祭で見ましたが、一般公開されました。
日本初公開のパキスタン映画です。

上映後、監督のトークがあり、いっそう理解が深まりました。
実話にインスピレーションを受けて作られた映画です。
母親は、敵対する部族との和平のために、長老と結婚させられることになった10歳の娘と家を抜け出します。すぐに追手がかかり、偶然、通りかかった心優しき トラック野郎と共に、命がけの逃亡劇を繰り広げます。

映画の序盤に、娘が母に習ったばかりの英単語を教える場面があります。一見ほほえましい場面ですが、深い意味がある場面です。
パキスタンは「男女平等指数ランキング」で全145か国のうち144番目の国で、女性が教育を受ける権利を訴え、 ノーベル平和賞を受賞したマララさんは同国の 出身です。

政略結婚、児童婚も大きな問題で、監督は「現実を世に知らしめる使命が自分にはある」と語ります。

メッセージ性の強い作品でありながら、ハラハラドキドキの連続で、とても面白い映画でした。
主要キャスト三人が実に魅力的ですし、雄大な自然が広がるパキスタンの景色も楽しめ、音楽も最高。
隣国インドの影響もあり、娯楽映画がほとんどで、こういうリアリズム、ヒューマニズムの映画は今まで無かったパキスタンですが、国内で公開されて受け入れられ、同国 のアカデミー賞の代表にまでなったことは素晴らしいです。

3394.「八重子のハミング」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/5/21(日) 23:5
4度のがん手術を受けた夫が若年性アルツハイマーの妻を12年間介護したという、山口県萩市の元教育長の体験をつづった同名著書をもとに佐々部清監督が映画化。
介護と夫婦愛がメインですが、娘や孫など家族、そして友人や教え子、地域の人々の愛、思いやりが描かれています。
そして、綺麗ごとではすまない介護の現実、認知症の現実がリアルに描かれています。

介護は、現代日本における最も切実なテーマの一つですが、できれば直面するまで直視したくない気も大いにあります。認知症も同様で、恐怖しかない気が。
それでも、夫婦の強い絆と深い愛情には感動させられました。
夫役をテレビでは御馴染みの顏だけど、長編映画初主演で全く違う役柄なので、新鮮な感じがした升毅、妻・八重子役を28年ぶりに映画出演したという高橋洋子。
NHKの朝ドラ「北の家族」でヒロインだったそうですが、自然で見事な演技でした。

3392.「人生タクシー」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/5/6(土) 20:44
2015年第65回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したイラン映画です。

アッバス・キアロスタミ監督の愛弟子で、スポーツ観戦さえ許されないイランの女性たちを描いた「オフサイド・ガールズ」などのジャファル・パナヒ監督。
カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大映画祭で受賞歴を誇るものの、反体制的な活動を理由に拘留され、イラン政府から20年間、映画製作を禁じられています。

これは、首都テヘランで、パナヒ監督自ら、タクシー 運転手に扮し、さまざまな乗客を乗せ、タクシーのダッシュボードに置かれたカメラを通してテヘランの街並み、暮らす人々の現実をドキュメンタリータッチに描いた映画です。

テヘランのタクシーは基本的に乗り合いタクシーで、追加料金を払えば貸切にできるようですが、車種は普通の乗用車です。
乗客は車泥棒の死刑について議論する二人の男女、海賊版レンタルビデオ業者、交通事故に遭った夫婦、金魚鉢を抱えた迷信深い老姉妹、政府から停職処分を受けた弁護士など、さまざまで、監督のおしゃまな小学生の姪も乗ります。

彼らの会話を通して、外国の映画も自由に見られず、表現の自由の規制が厳しい事、遺言が無いと、妻は財産を何ももらえないことなどが分かり、イラン社会が見えてきます。

そして映画は、やっぱりイラン国内での上映は禁止だそうです。
見る者を選ぶ映画で、万人向きではないけれど、見てよかったです。
イランもスマホ、携帯電話の普及率はかなり高そうだけど、運転中の使用は絶対やめましょう。

3391.「LION ライオン 25年目のただいま」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/5/3(水) 10:14
5歳の時にインドで迷子になり、養子としてオーストラリアで育った青年が、25年ぶりに母の元へ戻ったという衝撃の実話をベースにした人間ドラマでオーストラリア映画です。

インドのスラム街で暮らす5歳の少年サルーは、駅で兄を待っていたのですが、停車中の列車内に身を潜め、ついつい居眠りしてしまいます。運悪く、その車両が回送列車だったために、遙か遠くの大都市カルカッタ(コルカタ)まで運ばれてしまい、そこでは言葉も通じません。

孤児となったサルーは都会をさ迷い、施設に入った後、オーストラリアのタスマニアで暮らす養父母の元に引き取られ、今はメルボルンで何不自由無い大学生活を送っていました。

しかし、「自分とは何者か?」と揺らぎ始めたアイデンティティと自分のルーツを取り戻そうと苦悩し、おぼろげな記憶とGoogle Earthのおかげで故郷を見つけ出します。
25年後の奇跡の帰郷、家族との再会、まさに現代の奇跡で、これが実話ということで、いっそう感動します。タイトルの意味は最後にわかります。 

エンドロールの、実際に故郷で実母、養母と共に会う実写場面は感動的です
そして、あえて実子を生まなかったオーストラリアの養父母の深い人間愛が実に素晴らしいです。ニコール・キッドマンが、この映画では、完全に「母」の顏になっていました。

子役の笑顔も可愛いく、スラムドッグ$ミリオネア」のデーヴ・パテルの成長ぶりも見事です。
インドだけで、年間8万人の子どもが行方不明になるという事実は衝撃的です。

3390.「美女と野獣」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/4/23(日) 10:5
名作ディズニーアニメ「美女と野獣」を実写映画化したアメリカ映画です。
舞台はフランスの片田舎。
お城で、魔女に呪いをかけられ、王子は醜い野獣の姿に、家来たちはポット、カップ、オルガン、燭台などの物に変えられてしまいます。
一方、美しく聡明なベルは、田舎町では風変わりで浮いている女性で、本を読んで遠い別の世界に憧れていました。

出かけたまま帰ってこない父を案じて城に向かったベルは、父の代わりに城にとらわれますが、恐ろしい野獣の姿にもひるまず、次第に彼の持つ本当の優しさに気づいていきます。

ディズニーアニメを見ていない私にとっては、「美女と野獣」と言えば、劇団四季ミュージカルです。
映画は美しい映像で、楽曲もよく、楽しめました。でも129分はちょっと長いし、暗い画面が多く、劇団四季ミュージカルのを見た時の楽しさ、歌唱力にはちょっと及ばなかったです。

自由に生きたいと願う、勇気と行動力のあるベルに知的なエマ・ワトソンはぴったり、細すぎだけど、黄色いドレス姿はとても美しかったです。
王子役はテレビシリーズ「ダウントン・アビー」のマシュー役が素敵だった、ダン・スティーブンス。顏が見られる時間は短かったけれど、野獣の顏が全く怖くないだけに、呪いが解けて王子に戻った時、あまり驚きが無く、イケメンぶりもイマイチでした。

町一番のハンサム男でベルに惹かれる、暴れ者で最低なガストン役はルーク・エバンス、燭台のルミエール役でユアン・マクレガー、時計のコグスワース役でイアン・マッケラン、ポット夫人役でエマ・トンプソンと豪華キャストで、ベルの父親役、ケヴィン・クライン以外の主要キャストは、ほぼ英国俳優。

3389.「マイ ビューティフル ガーデン」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/4/16(日) 17:23
イギリス映画で、人気ドラマ「ダウントン・アビー」の次女シビル役、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイが主役というだけで見たのですが、92分の、ほっこりできる小さな佳作でした。

ベラは、図書館で働く作家志望の変わり者の女性で、いつも衣食住、同じ生活スタイルを貫き、庭付きの部屋に暮らしていますが、予測不能な植物は大の苦手。
一方、隣人は美しい庭を愛する偏屈な初老のアルフィーで、庭を荒れ放題にしているベラの存在が目障りでした。
そんなある日、ベラは庭を元通りにしなければ部屋を出て行くよう家主に言われてしまい・・・。

庭を通して人と関わり、少しづつ変わっていき、人生を輝やかせていくベラ。
ほかに主な登場人物は、お料理上手なシングルファーザー、発明家の青年だけで、皆、チャーミングです。
イングリッシュガーデンはもちろん、ベラは「喪服のビクトリア女王より地味」と言われるけれど、衣装も素敵。
どこかファンタジックな雰囲気が漂う世界で、ハートウォーミングです。

ジェシカ・ブラウン・フィンドレイは「世界で最も美しい顔100人」3年連続ランクイン した美貌で、どこかクラシカルな雰囲気も持っているのが好きです。
名優トム・ウィルキンソンのほか、「シャーロック SHERLOCK」のアンドリュー・スコットらが共演。
メガネをかけた発明家の青年役、ジェレミー・アーバインは初めて見ましたが、次世代英国イケメンだそうです。

3388.「未来よ こんにちは」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/4/16(日) 16:27
ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞したヒューマンドラマで、フランス・ドイツ合作映画です。
フランスの若き女性監督ミア・ハンセン=ラブが、同国を代表する大女優イザベル・ユペールを主演に迎え、思わぬ出来事や孤独を受けとめながら、未来を信じて生きる女性の姿を描いています。

パリの高校で哲学を教えているナタリーは、「自分で考えることのできる」生徒を育てることに意欲的でした。
同じ哲学教師の夫と暮らし、二人の子も独立し、認知症で一人暮らしの母の介護をしながらも、充実した人生を送っていました。
しかし、ある日、「好きな人ができた」と夫から離婚を切り出され、年老いた母は他界。自分が書いた哲学の教科書は絶版の憂き目に・・・。

思いがけない出来事が次々と起こり、気が付けばおひとり様・・・。
それでも、背筋を伸ばし、前を向いて歩くナタリーが美しかったです。

かつての教え子の青年も登場しますが、フランスらしい奔放さは皆無の映画でしたが、哲学の国であるフランスらしい大人の映画でした。
哲学の言葉はあまりわからないけれど、やはり日本の教育との違いを感じます。
「人生は欲望があれば幸福でなくも期待で生きられます。幸福を手に入れる前こそ幸福なのです。」劇中で紹介されるルソーの言葉は印象的でした。

3387.「母 小林多喜二の母の物語」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/4/16(日) 16:6
プロレタリア文学「蟹工船」で知られる小林多喜二の母・セキの半生を描いています。
貧しい家の娘に生まれたセキは、15歳で小林家に嫁ぎ、三男三女を生み育てました。字も読めなかったセキでしたが、愛情いっぱいに子どもたちを育てます。

タキの次男の多喜二は銀行に就職します。当時の銀行は生涯楽に暮らせる程の高給取りでしたが、多喜二は貧しい者の味方をする小説の執筆にも励みます。しかし、多喜二の書いた小説は現政府を批判する危険思想とみなされ、治安維持法下で特高警察の拷問により29歳の若さで亡くなってしまいます。

多喜二の死を受け入れられず苦しむセキは長女の誘いで教会を訪れ、イエス・キリストの死の話を聞き、マリアがイエスの遺骸を抱くピエタ像を見て、多喜二の姿を重ね合わせ、思いを巡らせます。

文学史の知識でしか知らない小林多喜二ですが、拷問死なんて、本当に怖いことで、またこんな時代になってしまったら大変です。
新法案は治安維持法まがいの共謀罪ではないかと山田火砂子監督が戦争への危機を感じ、「時代を逆戻りさせない」という決意で作った映画で、今、見るべき映画だと思いました。
原作がクリスチャンの三浦綾子の小説「母」だということを知らずに見たので、後半は社会性よりも宗教色を強く感じてしまいました。

セキ役を寺島しのぶ、多喜二役を塩谷瞬が演じるほか、渡辺いっけい、佐野史郎らが出演。

3386.「ムーンライト 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/4/9(日) 10:30
今年度アカデミー賞で、作品賞を始め、脚色賞、助演男優賞の3部門を受賞したヒューマンドラマで、アメリカ映画です。
監督は長編映画は2作目となる新人に近いジェンキンス監督で、監督も登場人物もすべて黒人ですが、製作総指揮はブラッド・ピット。
監督が自身や原案の体験を踏まえ、黒人少年の半生を「幼少期」「高校生」「成人」の3部に分けて描きました。

マイアミの貧困地域に住む内気な少年シャロンは、家では育児放棄、外ではひどいいじめという劣悪な環境に耐えていました。
そんなシャロンに優しく接してくれるのは、近所に住む麻薬ディーラーのフアン夫妻と、唯一の友達であるケヴィンだけでした。
高校生になったシャロンは、ある事件をきっかけに、大きく変わっていきます。

麻薬ディーラーのフアン役マハーシャラ・アリの出番は序盤だけですが、さすが助演男優賞、存在感があり、特に父のように海で泳ぎを教えるシーンが印象的です。「自分の道は自分で決めろよ。周りに決めさせるな」という言葉も。

娯楽要素は無くて重く、日本人としては共感しやすいとは言えない、誰にも勧め易い映画ではないけれど、重厚な映画で、ラストにかすかな光を感じました。

3385.「残されし大地」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/4/9(日) 10:2
原発事故後の福島に生きる人びとをテーマに製作したドキュメンタリーで、ベルギー映画です。
監督は2016年3月にベルギーで起きたブリュッセル連続テロ事件で亡くなった映画音響技師ジル・ローラン。
映画は彼の死後、プロデューサーや同僚たちの手によって完成しました。ベルギーでの公開は決まっていましたが、日本での上映は未定だったため、妻である鵜戸玲子さんが遺作の上映先を探して回りました。

福島県富岡と南相馬市に暮らす三組の家族を描いています。
原発事故後、町に残された多くの動物たちを保護し、富岡町に残ることを決め、父と避難指示解除準備区域の自宅にとどまる男性。
背後で除染作業が行われる中、農作業をする夫婦。
また、お彼岸の墓参りで仮設住宅から南相馬市の居住制限区域(当時)に一時帰宅し、来年こそ故郷への帰還を先祖に誓う夫婦。

故郷に残る者、戻らない者、それぞれが語る自然体な言葉から見え、故郷を失った人たちの今とこれからが描かれます。
「これは、誰もが持つふるさとの物語」鵜戸玲子さんが語るように、命、自然の尊さを問いかける作品です。

3384.「しゃぼん玉」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/3/22(水) 19:50
直木賞作家・乃南アサの同名ベストセラーを、林遣都とベテラン女優・市原悦子の共演で映画化。

犯罪を犯した青年が逃亡先の山深い村で、大怪我をした老婆スマを助け、一人暮らしの彼女の家に世話になることになります。
彼は親に見捨てられて人生を諦め、女性や老人ばかりを狙った通り魔や強盗傷害を繰り返すようになった青年でした。
彼は金を盗んで逃げるつもりでしたが、スマや村人たちの温かさに触れるうちに、失いかけていた人間性を取り戻していき、働くことも知ります。
そんな中、ある事件をきっかけに10年ぶりに村に帰ってきた若い女性と知り合った彼は自分が犯してきた罪の重さを自覚するようになり、人生をやり直すことを決意します。

乃南アサは好きな作家で、この作品も読んでいたのですが、出演者もよく、平家落人伝説で名高い宮崎県椎葉村の景色も素晴らしく、心がほっこり温まる良い映画でした。
老婆の家に居る柴犬が、ストーリーにからんではきませんが、我が家の愛犬ラリッサによく似ていて、いっそう好きな映画になりました。

市原悦子さん、さすがです、闘病中とのことですが、早く回復されますように。まだ大いに活躍してほしい女優さんです。

3383.「わたしは、ダニエル・ブレイク」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/3/22(水) 15:25
ケン・ローチ監督の最新作で、第69回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)に輝いた、イギリス・フランス・ベルギー合作映画です。
イギリス北東部ニューカッスルで、長年、大工として働いてきた59歳のダニエル・ブレイクは妻を亡くし、一人暮らしでした。
心臓病を患い、医者から仕事を止められ、国からの援助を受けていましたが、ある日、役所の窓口で「就労可能、手当中止」と言われてしまいます。

人を傷つけるたくさんの質問を浴びせられ、パソコンが使えないと手続きもできない仕組みなのでした。
同じく役所で給付金を断られていたシングルマザーのケイティと二人の子どもの家族を助けたことから、ダニエルはケイティの家族と絆を深めていきます。

しかし、そんなダニエルとケイティたちは、厳しい現実によって追い詰められていきます。理不尽で複雑な制度は弱者を振り回し、とても冷たいです。
ケン・ローチ監督が引退宣言を撤回して、この映画を作ったのは、イギリスの福祉制度があまりに冷淡で、弱者を苦しめていることに怒り、声を上げずにはいられなかったからです。

貧困という現実に直面しながらも助け合って生きる人びとの姿が描かれ、良い映画でしたが、貧富の差が拡大し、真面目に働いてきた者が報われない社会に悲しさと怒りがいっぱいになりました。

もちろん日本だって他人事ではないけれど、イギリスでは医療費が無料など、日本に比べて、イギリスの福祉は手厚いと思っていましたが、予想以上に厳しい現実に驚かされました。

3382.「0円キッチン」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/3/12(日) 10:48
世界で生産される食料の3分の1が廃棄されている現実を受け、キッチン付き廃油カーで廃棄食材料理を作って、自分はもちろん、人々にも食べさせながらヨーロッパ 5カ国をめぐる旅を追ったオーストリアのドキュメンタリー映画です。

食べられることなく廃棄される食料は世界で年間約13億トン、ヨーロッパだけでも8900万トンにものぼるそうです。
ジャーナリストで「食材救出人」のダービドは、植物油の廃油で走行できるように改造した車に、ゴミ箱で作ったキッチンカーを取り付けます。しばらくは廃棄食材料理以外は食べないダービドは、ウィンナーシュニッツェル(巨大なウィーン風カツレツ、個人的にとっても懐かしい!)を食べて、店で廃油をもらい、旅をスタートさせます。

スーパーのゴミ箱から廃棄された、充分食べられる食材を救出、町に自生し、放置されている果物を採取、一般家庭の冷蔵庫から廃棄する物で料理、船の上では、海に捨てられる規格外の小さい魚で料理、欧州議会食堂では残り物を使って料理します。
昆虫食には驚きましたが、未来の大人たちによる試食体験では、なかなか好評でした。国際連合食糧農業機関(FAO)は、タンパク源として世界的な人口増加による食糧難対策の一端を担う食文化として評価しているそうです。

明るく食糧危機問題を考える、全く堅苦しくない、美味しく楽しいエンタメ・ロードムービーでした。オーストリア、ドイツ、ベルギー、オランダ、フランス、景色も楽しめました。
他人事でなく、我が家のキッチンのことも考えなくては。

3381.「彼らが本気で編むときは、」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/3/3(金) 22:58
「かもめ食堂」の荻上直子の5年ぶりの監督作品で、ベルリン映画祭で、LGBT映画を対象としたテディ賞を受賞したヒューマン・ドラマです。
小学5年生のトモは母親と二人暮らでしたが、ある日、母親がが男を追って家を出てしまい、叔父のマキオの家で暮らすことになりました。
それは今回が初めてではありませんでしたが、今回、迎え入れてくれたのは、マキオの恋人で一緒に暮らすトランスジェンダーのリンコでした。介護士として働きながら、おいしい手料理を作ってくれ、優しく接してくれるリンコ。
認知症の母を老人ホームに預けているマキオは、リンコの心の優しさに一目ぼれし、後からリンコの事情を知っても、丸ごと受け止めたのです。トモは母親との暮らしで味わうことができなかった家庭のぬくもりや愛情を感じていきます。疑似家族の、なんと幸せそうなこと!見ていて、頬が緩むのを感じます。

でも、家の外では、嫌なことも多々あって・・・。
リンコは、トモに、悔しい思いをするたびに編み物をして心を落ち着かせていると言い、トモは編み物を教えてもらいます。

戸惑いながらも、セクシャル・マイノリティの存在を理解し、成長していくトモ。
少年時代からリンコの最大の理解者だった母の愛が素晴らしいです。
反対に、自分の定規でしか相手を見ず、他人を傷つけ、息子の命も危うくしたトモの友だちの母の、なんと愚かしいこと。
いろいろ考えさせてくれ、温かい気持ちにさせてくれる良い映画でした。

トランスジェンダー役を演じた生田斗真、難役だっただろうに、自然にリンコになりきっていて、見事です。
トモ役の柿原りん、マキオ役の桐谷健太、リンコの母役、田中美佐子、昨年11月に亡くなり、マキオの母親に、今作が遺作になったりりィなど、他の配役も皆よかったです。

3380.「ラ・ラ・ランド」 返信  引用 
名前:ネル    日付:2017/2/27(月) 18:25
公開初日一回目の上映で見たので、授賞式前に書きたかったのだけど・・。
毎年恒例、WOWOWの生中継で、6時間テレビに噛り付きでした。
分断は恐怖を高める、多様性と自由が大事という、今の時代にぴったりのメッセージ性の強い、感動的で素晴らしい授賞式でした。
14部門ノミネートで、6部門受賞した「ラ・ラ・ランド」の受賞が多かったとはいえ、集中し過ぎず、程よく受賞作がバラけたのもよかったです。
見られるのはこれからの作品が多いけれど、良い作品が多そうで、受賞作「ムーンライト」(受賞の瞬間のハプニングにはビックリ!)など、早く見たいです。

32歳のデイミアン・チャゼル監督が、ライアン・ゴズリング&エマ・ストーン主演で描いたミュージカル映画で、アメリカ映画。
現代のロサンゼルスを舞台に、売れないジャズピアニストのセブと女優の卵のミア、夢に向かう二人の恋を、ゴージャスでロマンチックな歌とダンスで描いています。

全てがオリジナルだけれど、映画愛、特に往年の名作ミュージカル映画へのオマージュが感じられ、クラシカルな雰囲気もたっぷり。
夕暮れの丘のシーン、天文台のプラネタリウムのシーンが印象的でリアルな描写とファンタジーのバランスがよく、色彩が美しく、音楽も最高。

生活のためにバンドに加わるセブと、才能の限界を感じるミア。
夢を追うことと妥協、かなった夢とかなわなかった夢、逃した幸福とつかんだ幸福。
舞台は華やかな世界だけれど、誰の人生にもある分岐点を切なく、ほろ苦く描いています。

主演の二人が適役で魅力いっぱい、ジャズピアノを短期間に習得し、全編吹き替え無しで見事に弾いたゴズリングには感嘆。


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