私は、森に迷い込んだ。 だから、こんな衝撃的なことに巻き込まれてしまったんだ。 すべては、あの修学旅行からはじまったんだ────
2週間前の、修学旅行1日目。 隣の佳奈子は、ぐぅぐぅと、バスのなかで寝ていた。 弥生は、修学旅行だから、とすごくはりきっている。 だって、中学で初めての旅行じゃんか!! 「弥生ぃ・・・、お菓子ちょうだい」 「えー、これで4回目じゃん!仏の顔も3度まで。今回はダメ。」 「お願いお願いっ!一生のお願い!」 このお菓子をせびる男、誠は、食べるの大好き★なやつで。でも、その割には痩せてるから、すげーって思う。 今回行くのは、幽霊が出ることで有名な、トヴァンの館。この館は、主に旅館として知られている。建っている場所自体が山ってところから、そんな雰囲気を醸し出していると思う。 「みなさーん、鬼氷柱山が見えてきましたー」 先生の地味なガイド。かえって耳障りだと思う。 「弥生ぃ・・・、なんか暗いよぅ」 あ、やっと佳奈子が起きた。 「でも、今日は鬼氷柱山でナイトウォークがあるんだから、慣れておかないと。」 「うぅーーー、そうだけど・・・」 こんなおしゃべりは束の間、旅館に到着し、荷物を部屋に置き始めた。 「硝子ぅ・・・、怖いぃ」 『ガラス』と書いて『しょうこ』と読む、硝子。 つーんとしてる感じ。 霊感が強いと、学校中でも有名だ。 そして、美人系だから、結構モテルらしい。 しかも、全然しゃべんないから、まあ、無口っていえばいいか。無口だから、彼女は一層美人に見える。 「あ、ナイトウォークの時間だから、行こう!」 かろうじて室長の私・・・、弥生は、一応みんなをまとめていた。 そして、忘れもしないナイトウォークの時間がやってきた。 班全員で一列になって歩く。最初は楽しい肝試しの時間だった。 私の後ろには、誰もいない。前にはいる。 当たり前のような、当たり前じゃないような。 でも、何かがおかしい。 ある程度の距離を歩いたはずなのに、いつまでたっても出口にたどりつかない。もうすぐ、夜の11時だ。本来ならば、今は消灯時間なのに。どうして・・・? 「ねえ・・・、なんかおかしくない?」 前にいる佳奈子の肩をつかんで話しかけたら、なんと、肩をふれることができなかった。 佳奈子が、その時に消えた。 「え・・・?かな・・こ?」 私ひとり、森の中にいた。 「やっ・・・やだっ・・・」 怖さが増す。 夢?それにしても、すごく現実味があるような・・・・ ─ヤヨイ・・・、迎えにきたよ・・・ え・・・・?
「先生っ・・・、弥生がっ・・・、」 「分かってる。すぐに探す。」 「弥生ーっ、弥生ーっ・・・」
運命の歯車は、回り始めた。
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