私も「花つみ日記」(昭14)を見ました。
オリイさんも書かれている通り、当時の少女向けの、女学生の心情を描いた作品で脚本は平凡だと思いますが、 整然で美しい映像、揺れ動く細やかな少女の心を伝える演出など見所は多く、私はこういう作品は好きです。 成瀬巳喜男の「まごころ」にちょっと似ているかなと感じました。
つづいてマキノ正博監督「待って居た男」(昭17)を見ました。
こちらもまずまず楽しめました。 「昨日消えた男」の第2弾のような、地方の温泉宿を舞台にしたミステリー調時代劇ですが、小国英雄らしいちょっとモダンな脚本で、撮影も美しかったです。
本作を見て一番感じたのは、エノケンの存在感の凄さでした。 これまで見てきたエノケン出演作品は、ほとんどエノケンが主役だったので、最初からエノケン色が強いわけですが、 本作では、後半になって登場します。 エノケンが、「ちょっと間抜けな、人の良い土地の目明し」として登場するや、パっと画面が明るく活き活きしたようで、 改めて彼の俳優としての凄さを感じました。
ちなみに、昨年こちらに書かせていただいた森一生監督「狙われた女」が、やはり小国さんの脚本で、 敏腕の目明しの妻が推理するという展開など、本作に良く似ています。 マキノさんの自伝によると、本作は大変な売れ方だったので、さらなる「柳の下のドジョウ」を狙ったのかもしれません。
>オリイさん >溝口特集 今月は、明日放映の「残菊物語」、既に録画済みの「名刀美女丸」「お嬢お吉」をどんどん見ていきます。 しかし、高峰秀子ファンの私としては、上記の2作を優先してしまいました(苦笑)。
>溝口特集は来月再放送してくれるようです。しかもなんと来月は2回も放映してくれるようです。 そうでしたか。それなら安心です。
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