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3063.骨髄移植 その2 返信  引用 
名前:ばきゃ王子    日付:11月8日(日) 1時26分
続き。

無事生着となりドナーの方の造血細胞が造血を開始すると次に訪れるのがGVHDと呼ばれる拒絶反応。
これは通常臓器移植などで言われる拒絶反応とは逆の拒絶反応で、ドナーの方が元来持っている免疫システムが俺の身体そのものを敵と判断し、体中あらゆる部分に攻撃を開始するというもの。
つまり、骨髄移植によって全く別の人間の中に居ることをドナーの免疫システムは分からないので、染色体に記憶されてる自分の宿主とは全く違う俺の身体を敵と認識してしまうのだ。

しかし、このGVHD、全く起きないというのもそれはそれで望ましくないというやっかいな側面もある。
というのも、どれだけ強力な化学療法を施しても白血病細胞を完全に根絶することは不可能で、身体のいたる所に隠れている白血病細胞が後日
時間の経過とともに増殖を果たし、再発するという危険性があるからで、このGVHDの拒絶反応を利用して身体に残る白血病細胞を残らず駆逐してもらう必要があるからなのだ。

つまり、免疫抑制剤で上手にコントロールしつつGVHDの良い効果だけを期待するという離れ技を行わなきゃならない。

これは、患者当人の持ってるポテンシャルや投薬量を見極める必要があり、抵抗力を全く持たない患者にとってそこを見誤ることはすなわち死ぬことを意味する。

ここで2割が命を落とす。


ここまでを乗り越えて晴れて『骨髄移植成功』という切符を手に入れることができる。

んま、この後も膨大な放射線被爆による後遺症は避けられず、ほぼ間違いなく起こる白内障、そして二次ガン等、副作用のオンパレードは生涯において懸念事項として残るとのことだった。

そして、移植バンクのドナー提供の実情について。
現在俺の骨髄型にマッチするドナー登録者は全登録者25万人の中に約20人程いるようで、漠然と(結構いるじゃん)なんて思っていたが、移植医に言わせればかなり少ない部類で、登録者の7人に1人しか最終同意には至らない実情を考えると決して楽観できる数ではなく、最後の手段である臍帯血移植も視野にいれなければいけないとの事だった。

臍帯血移植。
文字通りへその緒にある造血細胞を移植する事だが、未成熟な骨髄故どんな骨髄型にも使えるし、いつでもストックがあるという利点がある反面、GVHDの良効果があまり期待出来ないことや、その量が圧倒的に少なく生着までに時間がかかるという致命的な弱点も持っているため、治療効果そのものは生体幹移植に比べかなり落ちるとの事だった。
つまりドナー不在時の緊急手段に近いとの認識。

費用。
移植治療そのものは500万円〜1000万円と言われ幅があるが、これは合併症や拒絶反応の有無による薬剤の使用量で決まる。
保険適用範囲。

骨髄バンクに関して言えば全てが実費になり、ドナー候補者が10人居た場合その検査代金等は全てを負担し、最終的に1人の同意も得られなくても俺個人の支払いとなる。これも幅があり50万円〜200万円。

個室代金。
今まで世話になった湘南鎌倉病院では主治医が個室による治療を要すると判断した場合、差額ベッド代と呼ばれる個室代金は全額減免されたが、移植病院においてはこのような制度はなく理由の如何にかかわらず、全額実費扱い。つまり、一日1万円の部屋に半年間居た場合200万円弱の支払いが生じる事になる。

お金の話し書くのは気が引けたけど、リアルに感じてもらえる部分かと思って。
ちなみに、この病気になる少し前に加入してる生命保険の見直しがあり、ガン特約等全て付けたけど、前回入院時も保険金が出るまでにえらい時間がかかったし、ガン一時金等は全て削られた。
今回に限っては最後の退院から所定の期間を過ぎてないって事で一円も下りません。
入院中本等で勉強したけど、保険にはものすごく巧妙に隠された免責事項がたっぷり存在して、いかにして保険金を払わないかなんつう知恵が満載されてます。
『入っておけば額面通りの金額が必ず受け取れる』と信じてる人がほとんどだと思うけど、そんな事してたら保険会社全てが潰れちまいますからね。
特に漢字系大手有名保険会社なんかに加入してる方はご注意下さい。
セールスのオバちゃんやオネーちゃんもそうゆうカラクリがあることを知らずに本気で『良い商品』と売りつけてきますから・・・。


しかし、、わかってた事だけど大病するってのは、人生そのものが一回シャッフルされるようなもんだね。
将来の展望から経済的なものまで全てを仕切り直し。
まさに丸裸です。

なんとか生き伸びて人生を取り戻さねばいかんね。

3062.(untitled) 返信  引用 
名前:ばきゃ王子    日付:11月7日(土) 0時44分
昨日行った大学病院への受け入れが済んだので、本日は来週明け大学病院に入院するまでに危機的に減るであろう血小板の輸血をして退院。
自宅です。

ついこないだ『自覚症状無し』なんて書いたけど、やはり着々と進む病状を示すように、体中に異変が出てきた。
この病気の怖いのがここで、ジワリジワリと不具合や痛みが出て身体に訴えるというものじゃなく、ある一定の線を越えた瞬間一気に不具合が身体を襲うので、自分自身でも対処に苦慮するのだ。
っても、今はまだある程度の生活を保てるレベルなので特に問題はないが・・・。

昨日移植医に説明された事をかいつまんで書いておこう。
まず、骨髄移植には現在4つの方法が存在し、今回俺が受ける事を目的にしているのが生体幹移植と呼ばれるもの。
まあ、いわいるオーソドックスなタイプの移植。
この他に、抹消血、臍帯血、自家(ミニ)移植と言う移植法が存在するが、これはまたいずれ後述しようと思う。
現時点での移植法で最も治療効果が高いと言われている生体幹移植。
これは、俺の中の病んだ造血細胞と健康な他人の造血細胞をそっくり入れ替えてしまおうというもの。

移植医曰く、現代のこの移植の生還率は第一次寛解時において60%。
俺の場合、第一次寛解は破綻してるし、第二次寛解も失敗に終わっているので、これよりもぐっと下がる。
あえて何%と言う数字は言わなかったが、60%という数字をベースに話していたのでそのまま引用しよう。

まず、骨髄バンク登録者の中から骨髄型だけでは表せない部分(性別、血液型、体重など)を含めたベストな適合者を探すのと並行して、俺は第二次寛解を目指し化学療法。
マッチングし、かつ移植提供の意思確認、移植までには早くても4ヶ月の時間を要するため、随時化学療法を施し白血病細胞の増殖を抑えひたすらドナーを待つ。

ドナーが見つかった時点で、はっきりとした日程が決められ『移植前処置』へ。
これは今までの化学療法とはケタ違いの抗がん剤を大量投与、かつ4日間に渡り放射線を全身に浴び、骨髄中に残る自分の造血細胞を徹底的焼き尽くす。

移植前処置を抜け移植処置。

ドナーの方の造血細胞が俺の身体に定着し、無事造血活動を開始することを『生着』といい、この時点までで2割の人が命を失う。

・・・・・・。

ごめん。
途中だけどちと疲れた。
ので、今日はここまでで勘弁して下さい。
続きはまた明日。

3061.国立大学病院 返信  引用 
名前:ばきゃ王子    日付:11月5日(木) 22時20分
いや〜。
すげーっス。
良くも悪くも『国立』。
さすがに1日2000人を越える外来患者が訪れる病院だな〜と、その規模にびっくり。
医療設備やスタッフの数は目を見張るものの、どことなく『健康生産工場』的な印象。

移植チームの長たる医師とじっくり話しはでき、来週入院の方向で決まった。

んまぁ、このドクターがなんともで…。
『この場合死にますね』というキーワードがぽんぽん飛び出し、慌てて言い直すなんてシーンの続出。
覚悟は出来てるものの、そこまでダイレクトに言われるとさすがに怖えーってのっ!

明日血小板の輸血をしたら、一年間お世話になったこの病院とはお別れ。
後述するつもりだけど、ドクターはじめ看護師さん、スタッフの方に本当に恵まれてた事を今日の通院で痛感。
あと病院経営の理念にもね。


『病院なんてどこも一緒』なんて思ってたけど、あれだ。
高校の違いくらい全然違うね。
俺はやっぱり極力個を尊重してくれる箱のが合うんだな…。
んま、今はそんな事言ってる場合じゃないからね、センセーの言う事聞いて真面目に精進しますよ。



今日の詳しい話しはまた明日書きます。

んなら。

3060.明日 返信  引用 
名前:ばきゃ王子    日付:11月5日(木) 0時35分
移植病院である横浜市大病院に行きます。
現主治医との連絡調整がしっくりいってないので、とりあえず足を運んで移植医の判断をあおぐというものです。
なんでも神奈川県下で移植治療を行える医療施設は3つしかなく、クラス100という無菌室、医師の数にも限りがあるので、受け入れ先病院の現状次第で今後の治療のアウトラインが決まって行く模様。

今朝の採血で白血球は10000を越え、BLASTも80%越えと、さすがに『急性』と付くような病状の進み具合には唖然です。
んま、初期発症時の白血球50000、BLAST98%という数値に比べればカワイイもんですが・・・。

こんだけガン細胞が血液中に蔓延してるにも関わらず、微熱とダルさ以外に自覚症状無し。
困ったもんだ。

最近、「自分は白血病じゃないか?」という問い合わせを何件か頂き、自覚症状の有無を尋ねられます。
ダルイ、微熱なんつうのはちょっとした風邪でも出る症状だから不安になるようで・・・。
細かい症状を上げればきりがありませんが、人によってさまざまなので男限定のドンピシャな症状を教えましょう。

『精子が血』

睾丸を強く打ったりしたわけでもないのにこの症状が出たら要注意。

最初見たときは
(あ〜あ。ついに出ちまったよ赤玉が・・・。これで俺も打ち止めか。)
なんて思いましたが、後日病院で尋ねたら「それ、完璧な白血病の症状です。」と言われました。
初期のうちはうっすらと混じる程度ですが、病状が進むとほぼ全てが真っ赤に染まり、なんともいえない気分になります。

男性諸氏、たまには自分の分身のチェックをしましょう。

3059.クレームがあったので 返信  引用 
名前:ばきゃ王子    日付:11月3日(火) 23時7分
昨日の夜中、突然携帯に着信。
後輩からだった。
「掲示板見たら温泉行ったとか書いてあるけど、いったい何考えてんスか?」

ご立腹のようだ。

つーか、こんな時間に電話寄越して、勝手にプリプリしてんじゃねーってのっ!
まあ、白血病の治療なんて知らなくて当たり前だから、俺の行動見て心配の声上げるのも当然…か。


以前書いたように、白血病の治療の基本は、抗がん剤でガン化した細胞を殺す事にある。
だが、ガン化した奴らだけを選んで攻撃出来るような都合の良い抗がん剤はまだ開発されてないので、どうしても正常な免疫システムも一緒に壊してしまう。
そこでその免疫システムの稼働状態が簡単にわかるのが、白血球の絶対数を計ると言うもの。

これは2日おきの採血で徹底的に管理され、その情報は患者である俺にも速やかに開示される。
さすがにこれだけ長く入院を続けると、血液データの見方は医療関係者並みに詳しくなる。
ので、自分の体が現在どういう状態にあるかは常に把握している事になる。

同じ状態でも各病院、医師によって考え方、治療方針はまちまちで一概には言えないが、昔の白血病の治療のように終始感染リスクから遠ざけ、長い時間厳しい管理下に置くというものは今はあまり選択せず、ある程度抵抗力がある状態なら、積極的に外出、外泊を促すというものに変わってきている。

ようは、メリとハリね。

だから、主治医が外泊OKと言えばとんでもない内容以外の事は、健常者の人と同じように出来るのだ。

人ゴミに入る時はマスクを忘れないし、温泉に入る時は脱衣場に貼ってある管理表に目を通して殺菌状況を見る。寿司を食うにしても極力貝類は食わない。


移植治療後はとんでもなく厳しい生活制限を課せられ、軒並みNG事項に当たるが、今はまぁ自己責任においてどーぞ的な…。


年中無休で見えない敵と闘う!なんてなかなか…ね。

メリとハリ。
大切です。


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