続き。
無事生着となりドナーの方の造血細胞が造血を開始すると次に訪れるのがGVHDと呼ばれる拒絶反応。 これは通常臓器移植などで言われる拒絶反応とは逆の拒絶反応で、ドナーの方が元来持っている免疫システムが俺の身体そのものを敵と判断し、体中あらゆる部分に攻撃を開始するというもの。 つまり、骨髄移植によって全く別の人間の中に居ることをドナーの免疫システムは分からないので、染色体に記憶されてる自分の宿主とは全く違う俺の身体を敵と認識してしまうのだ。
しかし、このGVHD、全く起きないというのもそれはそれで望ましくないというやっかいな側面もある。 というのも、どれだけ強力な化学療法を施しても白血病細胞を完全に根絶することは不可能で、身体のいたる所に隠れている白血病細胞が後日 時間の経過とともに増殖を果たし、再発するという危険性があるからで、このGVHDの拒絶反応を利用して身体に残る白血病細胞を残らず駆逐してもらう必要があるからなのだ。
つまり、免疫抑制剤で上手にコントロールしつつGVHDの良い効果だけを期待するという離れ技を行わなきゃならない。
これは、患者当人の持ってるポテンシャルや投薬量を見極める必要があり、抵抗力を全く持たない患者にとってそこを見誤ることはすなわち死ぬことを意味する。
ここで2割が命を落とす。
ここまでを乗り越えて晴れて『骨髄移植成功』という切符を手に入れることができる。
んま、この後も膨大な放射線被爆による後遺症は避けられず、ほぼ間違いなく起こる白内障、そして二次ガン等、副作用のオンパレードは生涯において懸念事項として残るとのことだった。
そして、移植バンクのドナー提供の実情について。 現在俺の骨髄型にマッチするドナー登録者は全登録者25万人の中に約20人程いるようで、漠然と(結構いるじゃん)なんて思っていたが、移植医に言わせればかなり少ない部類で、登録者の7人に1人しか最終同意には至らない実情を考えると決して楽観できる数ではなく、最後の手段である臍帯血移植も視野にいれなければいけないとの事だった。
臍帯血移植。 文字通りへその緒にある造血細胞を移植する事だが、未成熟な骨髄故どんな骨髄型にも使えるし、いつでもストックがあるという利点がある反面、GVHDの良効果があまり期待出来ないことや、その量が圧倒的に少なく生着までに時間がかかるという致命的な弱点も持っているため、治療効果そのものは生体幹移植に比べかなり落ちるとの事だった。 つまりドナー不在時の緊急手段に近いとの認識。
費用。 移植治療そのものは500万円〜1000万円と言われ幅があるが、これは合併症や拒絶反応の有無による薬剤の使用量で決まる。 保険適用範囲。
骨髄バンクに関して言えば全てが実費になり、ドナー候補者が10人居た場合その検査代金等は全てを負担し、最終的に1人の同意も得られなくても俺個人の支払いとなる。これも幅があり50万円〜200万円。
個室代金。 今まで世話になった湘南鎌倉病院では主治医が個室による治療を要すると判断した場合、差額ベッド代と呼ばれる個室代金は全額減免されたが、移植病院においてはこのような制度はなく理由の如何にかかわらず、全額実費扱い。つまり、一日1万円の部屋に半年間居た場合200万円弱の支払いが生じる事になる。
お金の話し書くのは気が引けたけど、リアルに感じてもらえる部分かと思って。 ちなみに、この病気になる少し前に加入してる生命保険の見直しがあり、ガン特約等全て付けたけど、前回入院時も保険金が出るまでにえらい時間がかかったし、ガン一時金等は全て削られた。 今回に限っては最後の退院から所定の期間を過ぎてないって事で一円も下りません。 入院中本等で勉強したけど、保険にはものすごく巧妙に隠された免責事項がたっぷり存在して、いかにして保険金を払わないかなんつう知恵が満載されてます。 『入っておけば額面通りの金額が必ず受け取れる』と信じてる人がほとんどだと思うけど、そんな事してたら保険会社全てが潰れちまいますからね。 特に漢字系大手有名保険会社なんかに加入してる方はご注意下さい。 セールスのオバちゃんやオネーちゃんもそうゆうカラクリがあることを知らずに本気で『良い商品』と売りつけてきますから・・・。
しかし、、わかってた事だけど大病するってのは、人生そのものが一回シャッフルされるようなもんだね。 将来の展望から経済的なものまで全てを仕切り直し。 まさに丸裸です。
なんとか生き伸びて人生を取り戻さねばいかんね。
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