KAZZ先生
シンポジウムに招待していただき、ありがとうございます 関西の皆様の自由で活発な議論はすばらしいと感じます
CS-T法について簡単に説明いたします
CS-T法は開発活動の3つのパート、 マネジメントパート(目的特性を定義する)、シンセシスパート(システムや制御因子を考案・選択する)、 アナリシスパート(目的特性の値が変化するメカニズムを記述する) を全てを網羅した技法です
ここでアナリシスパートにT法を活用します シンセシスパートは通常は直交表を使います CS-T法ではシンセシスパートを解析対象としません 直交表は少ない実験回数でアナリシスパートの説明因子(物性値、センシングデータ、CAEの中間特性など) と目的特性の値の変化幅を広げるためのサンプル作成条件表として活用します これは制御因子間の交互作用の積極利用を意味します
CS-T法の目的は目的特性と説明因子の因果関係を把握し、 その情報に基づいて目的特性を改善する確実性の高い制御因子やシステムを考案することです それは同時に基本機能を実験的に導き出すことも意味します
この中で目的特性を定義するマネジメントパートの位置づけは、 従来からの一般的な目的機能を使ったパラメータ設計と同じです ロバストネスを評価する機能性評価はCS-T法においても原則的に一つのSN比で定義します 性能に関しては複数の特性があるケースもあります
目的特性(機能性のSN比、複数の性能特性)毎に因果関係を持つ説明因子(アナリシスパートの因子) が異なるので、T法解析は各目的特性毎に実施します
機能性のSN比についても、誤差因子毎に改善メカニズムが異なる場合は、 各誤差因子の個別SN比を解析することで重要な技術情報が得られる可能性があります 例えば劣化を改善するメカニズムと温度依存を改善するメカニズムが異なる場合等です ただし、これについては事例が不足しています 今後の課題と考えています
TETSU
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