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品質工学会 Kazzの品質工学特集
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5993.バーチャル・エンジアリングと品質工学 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年10月5日(木) 13時23分
最近首題のVEが話題になっている。品質工学会でバーチャル設計が行われているが、全く異なるものである。
バーチャルと言ってもリアルなものでCADやCAEや3Dプリンタを活用してバーチャル設計やバーチャルテストをモノを作る前に行って、検証はバーチャルの使用環境などを想定してテストを行った後で、試作して品質を確認して出荷するものである。ここで問題なのはテストに合格することとSN比評価とは全く違うのである。
このようなVEを行うためには、製造技術の技術開発が行われていて技術の棚が充実していないと絵に描いた餅であるのである。

こんなことは私も30年前から行っていたことである。当時はモノを作る前に、運動方程式を使ってシミュレーションモデルで運動を解析してノイズを考えてロバスト設計を行っていたのである。
この具体的な事例はプリンターのバウンド量の削減に運動方程式を使って、問題を解決した事例であるが、私のホームページの中にもあるし、著書「品質工学ってなんやねん?」の165ページの無用の用の具体事例で説明している。
世の中でいうバーチャルエンジニアリングはシミュレーションの中で効率化を考えた手法であるが、問題はSN比のような評価ではなく、環境条件を使ったテストに過ぎないのである。したがってロバスト設計とは言えないのではないかと考えている。

田口先生がアメリカで企業の指導をされたとき、「16種類の環境試験をされた研究所の技術者に対して、17個目の試験でトラブルが起こるかもしれませんよ」と言われたことは有名であるが、「試験と評価の違い」を明確にされたのである。
車のバーチャルテストでは、道路の表面の形状などをシミュレーションで作って過酷な条件で耐久テストをしているが、SN比で評価しない限りロバスト設計とは言えないのである。

10月6日の品質工学シンポジウムでも議論したいテーマである。

http://kaz7227.art.coocan.jp

5989.世界ロボット大会再考 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年9月23日(土) 16時48分
本年度もアジアの大学が集まって東京でロボット大会が開催された。
数年前にもこの掲示板で述べたことであるが、日本代表の東京大学も東京工業大学も決勝にも進出できず惨敗に終わった。
この大会の過去の優勝回数はベトナムと中国が5回で日本はわずか2回である。今年の優勝はベトナムの圧勝で終わった。
日本の敗戦の原因は過去の大会でも述べたことだが、全く同じなのである。
会場の雰囲気である照明ノイズに対して、ロバストでなくセンサーが上手く働かなかったことも問題であるが、円盤の命中率(感度)が悪く、機能の安定性に問題があるのである。
科学的な思考でシステム設計を行っていて、機能だけを考えていることが問題なのである。
ベトナムやカンボジアの大学では中古部品で装置を組んでいるが、目的がよくわかっているのである。来年はベトナムが開催国であるが、機能性を考えたロバスト設計をやらなければ日本は相変わらず後進国の負い目を感ずる結果になることは明らかである。

具体的な研究方法は、距離と角度が違う数か所のテーブルに円盤を載せる問題であるが、数か所の距離と角度の違いは、チューニング問題であるから、機能性評価のパラメータ設計では1か所に絞って、距離と角度の安定性のロバスト設計を行うことが大切である。

http://kaz7227.art.coocan.jp



5990.Re: 世界ロボット大会再考
名前:TETSU    日付:2017年9月25日(月) 17時7分
Kazz先生

ご無沙汰しております
久しぶりに投稿いたします

実は10年ほど前から東工大で非常勤講師として機械系の学生を主対象に「タグチメソッド」の講義を担当しています。
当初の受講人数は30名程度でしたが、現在は70名近くに増えました。

Kazz先生の仰るとおり、現在の日本の工学部の学生は専門技術のみを学んでいるので、性能確保=技術力であることを当然のことと思い込んでいます。
私の講義では統計基礎から始まり、機能性評価、SN比、パラメータ設計等の技法を事例を交えながら解説するのと並行して、ロバスト性を備えた独自システムを考案することの楽しさと大切さを強調しています。
そして、実験計画法や品質工学は技術者が自らの創造性を的確に発揮するためのツールであり、鬼に金棒の金棒であると教えています。
金棒の意味は、脇役であること、重たいので力がないと振り回せない、振り回すとますます力がつくということです。
(これは品質管理の第一人者である福原先生から学んだ言葉です)

講義後のフィードバック結果を見ると、ほとんどの学生がこのことを納得してくれます。
経験値の高いベテラン技術者よりもはるかに感度が高いと感じます。

私の大学での講義経験から、この問題は学生自身にあるのではなく、大学教育にあると考えます。
もっと多くの工学系大学で品質工学を講義に取り入れることが、品質工学会、日本の産業界にとっての大きな課題と感じています。

Tetsu


5991.Re: 世界ロボット大会再考
名前:kazz@管理人    日付:2017年9月25日(月) 22時32分
TETSUさん
お久しぶりですね。
東工大で品質工学の講義をされておられるとのこと感心です。
今の大学教育はリニアの世界で機能や性能重視の科学的教育が中心ですから、ノンリニアの世界で信号には強く、ノイズには鈍感なモノづくりのあることを教えられていないことが悲劇です。
企業に入ってはじめて市場でトラブルが起こるのはノイズに弱いことが原因だと知らされるのです。
昔在職中に、局所探索法の山登り法で、最大値で最適解を求めたり、線形計画法や非線形計画法で、目標関数に合わせこむために連立方程式で最適解を求めるグループと論争したことを思い出しています。
富士山の山の上が最適解であるという手法が蔓延っていることが問題だと考えています。
私の大学での講義経験から、

>この問題は学生自身にあるのではなく、大学教育にあると考えます。

私もその通りだと思います。大学に限らず、企業においても技術者に問題があるのではなく、大学や企業の責任者のマネジメントに問題があると考えています。

別件ですが、私が実行委員長賞を授与した「エネルギー比型SN比」に対して矢野先生が「原さんは禍根を残した」と非難されましたが、田口先生の発想の原点はここにあったと考えています。学会であまり評価されないのが問題だと考えています。

5988.石橋湛山と田口玄一 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年8月24日(木) 10時13分
若い皆さんは石橋湛山といってもご存じない方が大半だと思うが、戦後吉田茂の後で首相になった政治家である、政治家というよりジヤーナリストといった方がいいかもしれない。
彼は戦前から自由主義を唱えて戦時下でも初心を貫徹して生き残り戦後の政治家になった人物である。彼の首相時代は2か月だからほとんどの日本人はご存じないのである。彼の後の首相は安倍首相の祖父である岸信介である。
彼が素晴らしかったのは、戦時下でも自由主義を主張して軍部の弾圧に耐えて信念を曲げなかったことは驚嘆に値する。戦後は中国へも行き周恩来とも会い日中友好に活躍されたことは有名である。
彼の生き方を見るとき田口玄一が従来の統計的考え方に反対して、品質工学の道を築かれたことに共通するものがある。
田口玄一は「統計学よさようなら」と言いながら、新しいものずくりのやり方を提案されたのであるが、湛山と同じで日本ではあまり評価されていないことは憂うべき事実である。
国民の立場に立ってモノやコトを考えることは全く同じでなのである。
読者の中で石橋湛山のことをご存知の方は投稿していただきたい。

http://kaz7227.art.coocan.jp

5985.バーチャル設計再考 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年7月3日(月) 19時35分
スレッド5948でも述べたことであるが、今回の大会でも数件のVPDの発表があった。
大会で新しい提案があることは賛成であるが、VPDについては理解できないのである。
システム選択の段階でデザインレビューを行うときに、専門家が数人集まってテーマに対して意見を出すことは賛成である。
発表テーマを見ると制御因子や誤差因子の選択に問題があるのである。
テーマが決まった後で、目的機能を満足する最適なシステムを考案して、使いやすさや加工しやすさや機能や性能に対して制御因子を提案する場合に試行錯誤のアブダクション思考でパラメータ設計を行う場合に活用するのならよいと考えている。



5986.Re: バーチャル設計再考
名前:kazz@管理人    日付:2017年7月10日(月) 15時34分
大会で銀賞を受賞した「バーチャル設計を用いた、金型の形状合わせ技術の向上」以外に3件バーチャル設計の論文があるが中には、バーチャル設計批判の論文も1件存在する。
銀賞の論文については検討の上意見を述べる。

マツダは兼ねてからボディのデザインでは素晴らしいことでは有名であるが、「魂動デザイン」に忠実な再現を狙って、板金の曲げ加工の技術開発が行われた後で、目的機能について商品(ボディ)の形状に合わせこみのチューニング設計においてCAEと実機の形状を一致させるために、しわやダイR曲げ角度の精度改善するために設計と製造の技術者9名でバーチャル設計を行った事例であるが、今までであれば、制御因子と誤差因子を決めてパラメータ設計を行うのが普通である。
チューニング設計だから感度(形状寸法)だけであるので、機能性評価になっていないことが問題である。

詳細なデータを見ないと判断できないのだが、バーチャル設計で望小特性で、詳細なチューニング設計でCAEの目標値への合わせこみができるとは考えられない。バーチャル設計ではCAEと実機の合わせこみをどのようにするのか理解できない。

5982.QES大会の発表テーマの感想 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年7月2日(日) 9時5分
今回の大会は欠席したが、関西QE研究会で事例の発表を聞いた範囲で感想を述べる。
紙送りの事例であるが、システムありきで、紙送りの評価を望小特性で行って問題解決を行ったのであるが、紙が空中を飛んである位置に収まることが問題でパラメータ設計を行ったのである。
まず第一の問題は、紙送りが不安定で機能性評価ができないシステムなのである。既存のシステムの場合、仕方がないので品質問題の解決をせざるを得ないのである。パラメータ設計を行う前に、既存のシステムではなく、入出力で機能性評価ができるシステムを選択することが大切なのである。
田口玄一先生は、システム選択は品質工学の問題ではない。技術力が試される段階なのである。

最近の発表事例では。従来システムの改善に「パラメータ設計」を行っている事例が多いのである。
田口先生は常々、パラメータ設計はWork(作業)に過ぎない。大切なことは、その前に、先行性・汎用性の高い技術開発(Research)で、機能性評価を行うことである。と仰っていたはずである。
商品開発と技術開発を分けて、技術の棚を作ることを強調されていたのである。その段階では、理論的な演繹法ではなく、アブダクション思考の機能性評価が大切なのである。
最近はそのことが軽視され、安易な問題解決に傾いてきたことが問題ではないだろうか。
ISO国際規格が制定されたが、機能性評価は採用されずパラメータ設計だけになったことは残念なことである。機能性評価はノイズの選択が大切であるから、規格化は困難だということだろうが、品質工学会が中心になって、商品や技術レベルでノイズの制定に努力することが大切ではないだろうか。

http://kaz7227.art.coocan.jp



5983.Re: QES大会の発表テーマの感想
名前:kazz@管理人    日付:2017年7月2日(日) 13時17分
追伸
システムの機能性を考えるのではなく、機能性の高いシステムを考案することが大切である。
田口先生が「自動車の殿堂入り」されたとき日本で講演会が行われたが、会場の参加者から「システム設計で品質工学は活用されるのですか」と質問されたとき、「原さんは顧客が満足する200のシステムを考えて
その中から3つのシステムを選んでパラメータ設計で最適システムを決めている」と答えておられた。
私は恐縮したが、200個もシステムを考えることはなかったが、S(ソフト)-H(ハード)変換方式で、顧客の要求機能を分析して10個くらいのシステムから使い易さや加工易さやコストや機能や性能などの面から選んだシステムをパラメータ設計で最適化したのである。
田口先生は大会の講演の中で「原さんは画家だから」ということも仰っていたが、スケッチするとき何を描きたいかを考えて、どの範囲まで選んで描きたいところから描くのだが、デッサンそのものがシステム選択に相当し、彩色は二の次の作業でパラメータ設計に相当するのである。


5984.Re: QES大会の発表テーマの感想
名前:kazz@管理人    日付:2017年7月2日(日) 21時16分
追伸3
品質工学を国民に理解して貰うためには、国民が分かる形で示す必要がある。
例えばスマホやPCに使われている充電器やコンデンサーなどの電気素子やTVなどの電気商品について機能性評価で市場品質の優劣を示すことで消費者に品質工学を分かってもらうことが一番だと考えている、
また、原発問題で社会損失の最小化を訴えることなど、社会的問題について理解させることが普及の早道だと考えている。
品質工学が難しいとか普及しないと嘆く前に、SN比や損失関数を用いて経済的尺度でトラブルの大きさを知らしめることが大切だと考えている。

http://kaz7227.art.coocan.jp

5981.「最適解」の誤解 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年6月26日(月) 9時43分
昨日のテレビ番組で「最適解」が話題になっていたが、世間では意外にこの言葉を知らない人が多いらしいのである。例えば、A点からB点に行く場合、「どの道が最短距離か」など理論的に考えて最適解を求めることが普通であり、答えは一つしかないのである。
品質工学を学んだ人であれば答えは一つではないと考えるのが普通である。ユークリッドの距離で考えれば答えは一つしかないのであるが、ノイズを考えて経済性を考えたり、マハラノビスの距離で考えれば一つではないのである。
タカタが更生法を申請したが、いきなり倒産するのではない。理由は世界にエアバックを作っている企業は三つしかないから、自動車を製造している企業から見た場合、倒産されては困るのである。
科学的思考の最適解は一つしかないが、技術的経済的思考の最適解は無数にあるのである。

http://kaz7227.art.coocan.jp

5979.戦後の経済発展と品質工学の役割 返信  引用 
名前:kazz@管理人    日付:2017年6月8日(木) 15時44分
1945年後の日本の経済発展はアメリカのデミング博士の指導による品質管理の発展によることはだれも疑わない事実である。当時の製品は欧米の物真似が圧倒的で製品の品質は劣悪であったため、問題解決型で品質改善を図ることが命題であった。当時は工程品質を改善することがすべてで工程能力の改善はCpk値で管理することが全てであったのである。市場におけるトラブルを改善するためには、故障物理を活用した信頼性工学によるワイブル分布による原因解明が主流を占めていたのである。
1960年頃から、田口玄一が問題にしたのはトラブルの原因は因子間の交互作用が問題であると主張されるようになったのである。当時の実験計画法は主効果と交互作用のレスポンスの研究が主流を占めていたのである。田口玄一は交互作用の中には悪玉と善玉の二つがあって、悪玉の交互作用は下流において加法性や再現性に悪い影響を与えるものであるから除外しなければならず、市場における使用環境や劣化と制御因子との交互作用に強くすることが市場品質を改善するためには大切であると考えたのである。
すなわち、品質問題に対する考え方が、統計的な偶然誤差による工程品質の不良率や故障率の改善から、強制誤差ノイズによる市場品質の改善に変遷してきたのである。これは時代の流れであるからどちらが正しいという問題ではないのである。
しかし、「品質を改善したければ機能性を評価せよ」と品質工学では主張しているが、工程品質におけるスペック改善の問題は以前として残っていることは事実である。品質工学においてはスペック問題は市場における目的特性であるから、検査や管理の問題として、許容差設計やオンライン品質工学でコストとのバランスを考えて処理する問題と考えている。この品質問題を企業によっては、MTシステムや機能性評価で改善しているところも存在している。
従来は規格や基準値を設けて品質を評価する。例えば地震予測では、震度7のような基準に耐えることを評価しているが、品質工学では、機能限界ではなく、基準値の半分くらいの震度でSN比評価することを考えている。破壊点など分からないのだから副作用の機能限界を想定して、機能限界内の相対品質をSN比で評価することが大切だと考えているのである。
病気でも健康な人間で単位空間を設けて、MTシステムを使って病気の大きさを予測することを考えている。
製品の場合でも、故障や破壊が起こる機能限界ではなく、ノイズの影響の大きさをSN比で評価して市場品質を予測するのも同じ考え方である。



5980.Re: 戦後の経済発展と品質工学の役割
名前:kazz@管理人    日付:2017年6月8日(木) 10時41分
追伸
このような問題を今更、取り上げたのかといいますと、市場では問題解決型の問題が多く、品質工学の考え方が難解であるという理由で、ほとんど理解されていないからである。
このことは、個々の実際の問題に接して指導していくしかないのである。

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