komadoさん、こんばんは!
先日の南アで山梨県の名門山岳クラブの代表と知り合い、 9月10,11日は、北岳のバリエーションルートである「嶺朋ルート」の整備をするため、 山梨県山岳レンジャーの腕章を付けて北岳を登りました。
私の山友は、私と共通の経験を持ちたいと言い、 私より一足先に北岳に入り、9月7日に単独で嶺朋ルートを下山。
虫の知らせでしょうか、私は、7日の14時ごろ、 SNSで友人と連絡を取ったところ、まだ崩壊地にいることが判明しました。 しかも3回も滑落し、一つは、15メートルも滑落し、 雪山でよくやる滑落停止体勢でそれ以上の滑落を防いだそうなのです。
崩壊地にいると言っていたので、 最初は、2050m近辺の北北西の尾根に迷い込んだのと思っていましたが、話をさらに聞いていると、どうやら2200m近辺の倒木で道を間違え、北東方向の支尾根に下り、小カンバ沢の崩壊地に入り込んだようなのです。
広河原まではたったの300mくらいの標高差ですが、 友人は、これ以上、進めないと判断し、 7日の17:20、1800m地点でビバークを決定しました。
その後のルートは、小カンバ沢の東にある広い尾根から北に下降し、トンネルに降りると言い出しました。 本来なら正規ルートに戻るのが一番安全だと思うのですが、 友人には、その体力や気力がもうなかったのかもしれません。
私は、なんとか自力で降りてもらえるよう、 地形図を見て、状況をできるだけ詳しく説明しました。
小カンバ沢に堰堤がいくつもあること、 トンネル部の横には法面があること、 ダムの施設にはフェンスがあるはずで、中に入れないこと 野呂川が広いことなどなど、 その他、気づいたポイントを細かく説明しました。
翌日の8日の朝、行動を開始したようですが、 トンネル部の下降などでかなり下山に難儀したようです。
実際、今日、私は、北岳下山後、37号線のトンネル部を調査に行きましたが、 猛烈な斜面であり、ほとんど崖状態の場所でした。
また地形図にあった通り、小カンバ沢には巨大堰堤がいくつもあり、トンネル部には、網が張られた背の高い法面がありました。
途方に暮れ、震えるような状況だったと思います。 私との電話でのやり取りが救いであったと、友人も回顧していました。
しかし、最終的に命辛々、野呂川に降りても、 今度は、幅の広い野呂川で、全身濡れ鼠状態となり、 広河原のバス停までどうやって行って良いものか、困惑していたところ、今度は、私とバトンタッチするように、釣りをしていた山梨交通バスの運転手に発見され、バス停まで誘導されて無事、帰還となりました。
3回も滑落しながら、骨折もせずに、擦り傷と打撲だけで済んだ友人の運の強さには脱帽です。
写真の右の尾根を下降したと思われます。
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