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品質工学会 Kazzの品質工学特集
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6113.〜岐路に立つ品質工学〜  
名前:KAZZ@管理人    日付:2019年2月3日(日) 21時14分
一月の研究会で田口博士の語録の一部の解説をさせてもらいましたが、考えれば考えるほど田口哲学の奥の深さを感じた次第です。研究会の皆さんも田口先生の関係資料を参考にして、ご自分で語録の解説を書いてみたらいかに難しいかが分かると思います。手法を正しく理解するためには、田口先生が直接書かれた書物から思考の原点を学ばれることをお勧めします。
二月の研究会で、芝野顧問から〜岐路に立つ品質工学〜の話がありましたが、田口先生の残された手法を使った事例研究が殆どで、新しい学問の展開が見られないので、昔我々が味わった「わくわく感」がないと仰っていたことが印象に残りました。確かに田口先生が残された手法以後新しいものが出てこないことは事実で、AIやIOT時代に適応した機能性評価や損失関数やMTシステムのパターン認識の新しい展開を創造することが必要だと思います。



6114.Re: 〜岐路に立つ品質工学〜
名前:KAZZ@管理人    日付:2019年2月4日(月) 10時25分
田口先生の思考過程を考えてみると、品質工学の誕生のプロセスを考えることができる。

@「田口流実験計画法」の誕生
電電公社で電話交換機と電話機の設計で電磁石機構のばね設計でノイズと制御因子との交互作用を考えて、短期間に交換機の寿命15年、電話機の寿命40年の開発に成功したことからから出発している。
ところが当時の実験計画法が工学の実験にも採用されていたが、当時は科学的な「レスポンスの研究」が主流であったので、ばらつきは等分散性と正規性で、直交表に制御因子だけでなく標示因子など関係因子を割り付けて、主効果と交互作用を用いて因果関係の研究を行っていたのである。田口先生は制御因子の交互作用は再現性に問題があるということで「水準ずらし」で交互作用の消去を考えた。しかし、ノイズとの交互作用が大切だということで、最近のSN比ではないが、初期と劣化後の「変化率」で市場のばらつきを評価していた。

A「SN比誤差」の誕生
統計学では、誤差は平均値の「偶然誤差」と平均値の目標値からの偏りを「系統誤差」と定義していたが、田口先生は市場におけるばらつきは偶然誤差ではなく、目標値からのばらつきを「必然誤差」と考えて、「平均二乗誤差」で評価することを考えた。ところが、この平均二乗誤差は目標値が固定された「品質特性(静特性)」の場合には求められるが、計測器のような「動特性」の場合には加法性がないのである。田口先生は統計学者に「時計の誤差は何か」と聞かれたそうだが彼らは答えられなかったそうである。時計の誤差は年差とか月差では求められないのである。
計測器の誤差は「動特性」で評価しなければならないのだ。
誤差の定義は「誤差=読み値ー真値」で求められるが、真値は不明であるから、誤差は簡単には求められないのだ。詳細は省略するが、誤差はSN比を求めることで推定できるのである。

⓷「損失関数」の誕生
市場における損失は経済損失であるが、従来はトラブルが起こってから事後に発生するのが当たり前であった。田口先生はトラブルが起こる前に事前に損失を評価する方法を「損失関数」で求めて、「安全設計」を行うことを考えたのである。アメリカで自動車の殿堂入りされたのは、品質をSN比で評価して、SN比の逆数に比例する損失を「損失関数」で金額的に求めることを高く評価されたのである。
品質改善は目的でなく、コスト改善第一を考えたのである。

C「MTシステム」の誕生
インドの統計学者マハラノビスが提案された「マハラノビスの距離」はスカラー量を標準偏差で割って正規化された計量値であるが、従来はデータの判別に活用されたものであるが、田口先生は、トルストイの「アンナ・カレリーナ」の一文から「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」から考えて、似通った集団(=単位空間)から、対象がどれだけ異なる異なるかを多くの事柄から導きかれる距離の差(=パターンの違い)とみることを考えたのだ。

田口先生の発想に共通しているのは、当たり前のばらつきの少ない平均的な空間や理想的な値を単位空間と考えて、その空間からの違いでデータを評価することが基本になっている。SN比空間でも理想機能を定義して理想機能からのずれでデータを評価するのも同じことである。

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