「仏教哲学」や「老荘の哲学」と品質工学の共通点は前からも述べてきたが改めて書いてみたい。 機能性の評価における基本機能は、機能の理想機能からの「ずれ」をSN比で評価するように、曼荼羅の世界では理想状態を「大日如来」と考えて、あるべき姿からのずれをSN比に相当する「順観」と考えている。大日如来の周りには釈迦の教えを民に伝える弟子に相当する僧侶が取り巻いて説教を行って民を救うことを考えている。悩みをたくさん抱えている民は「逆観」で釈迦の教えに縋るのである。品質工学でも市場でトラブルを出すと品質(損失)と考えてSN比の逆数である「損失関数」で評価するのである。
老荘の哲学である「無用の用」や「無為自然」などは無駄だと思われるものでも有用になるように、品質工学でも「システムは複雑でなければ改善できない」と考えることに共通するのである。
つづく
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